これが江戸だ! part11
第11回です。江戸の風景と、明治に入っての暮らしの変化をお楽しみください。
隅田川の舟遊び風景。背景は向島で、左側が牛島神社あたり。
向島百花園。
梅も名物で新梅屋敷とも称され、園内で梅干などを売っていた。
不忍池。
建ち並ぶ茶屋は、男女の出会いの場として利用されていた。
霊岸島。
右が石川島で、左が隅田川対岸の深川、越中島。
米を舟から降ろしているところだろう。
明治初年、つまり江戸の最後の年の撮影。
時代が変わる激動期のはずだけど、のんびりした雰囲気が伝わってくる。
庶民の暮らしには混乱なく、
徳川から明治政府への政権移動が行われたようだ。
浜離宮。
1707年に徳川家宣がつくったが、享保9年(1724)焼失。
その後、天明8年(1788)に写真の姿に再建された。
しかし戦災で、また焼失。
そして戦後また現在の姿に再建されたものである。
神田明神下風景。
銭形平次の小説でおなじみの場所。まさに庶民のまちの姿だ。
明治に入ったころの撮影だが、光景は江戸のままだろう。
御茶ノ水。
湯島聖堂の向かいの土手。
向こうに見えるのは昌平橋。
御茶ノ水懸樋。
水道橋から御茶ノ水方面を見ている。左手の坂は御茶ノ水坂。
川にかかる懸樋を通って、井の頭からの神田上水が江戸の住人の生活用水になる。
江戸は水道完備のまちだったのだ。
みやげもの店。
縁起物の焼き物が並んでいる。浅草近辺かと思われる。
永六輔。……ではなく、
信州松本藩六万石の当主、松平光庸の写真と思われる。
武士が笑顔で写っているいい写真だ。
横浜・元町の商店。
写真画を描いたり、傘を売る店のようだ。
右は寿司屋、左は古着屋。
武士と従者。
幕末の1860年ごろの撮影。
頼りなさそうに見えるのは気のせいだろうか?
二人の町娘。
三味線を趣味にする女性は多かったようだ。
若い商人たち。
これから訪れる新しい時代の話でもしているのだろうか。
おまけに、明治美人の写真を一枚。
外交に手腕を振るった陸奥宗光の夫人の亮子。
元は新橋の芸者「小鈴」として人気で、
陸奥夫人となってからは、
“鹿鳴館の華”と呼ばれた。
これが鹿鳴館。明治の象徴の一つだろう。