これが江戸だ! part4

今回は明治初期の写真が中心です。
でも時代は江戸から明治に変わっても、庶民の暮らしはそのままなので、
光景は江戸時代そのものといっていいでしょう。


下の写真はエドワード・モース。
モースといえば、「大森貝塚」発掘で有名です。
もともとは、進化の研究テーマとして『シャミセン貝』の研究で日本を訪れました。
1877(明治10)年に初めて来日し、翌年は妻子を連れて再来日するなど、
計3回、来日しています。


そして研究だけでなく、日本各地を歩いて各地の文化にも接しました。
モースにより、日本の文化財や写真が多数残されました。
今回の写真は、そのときのものが中心です。






こいのぼり

鯉のぼりは江戸の城下ではやりだしたといわれる。
写真は明治13年なのでちょんまげはない。
でも、まちなみや習慣は、江戸そのものが残っている
人々にちょんまげをつけ、人力車が見えなければ、それは江戸のまちのままだ。



正月のあいさつ

正月のあいさつ回り風景を、スタジオで再現したもの。左側は丁稚だろう。(明治3年)


鏡餅と注連飾り

正月の鏡餅と注連飾り。大店の商家らしい。


劇場街

横浜・弁天通りの劇場街。当時の演劇熱が伝わってくる。
明治維新の激動期でも、庶民には娯楽が必要だったようだ。


婚礼

婚礼風景。新婦の綿帽子は最初は真綿を広げて作られたが、後にちりめんなどで作られるようになった。


台所

モースのコレクションにある大きな民家の台所風景。
今と時代が違うという違和感はほとんどなく、
どこか田舎の実家といった感じのなつかしさを覚える光景だ。


食卓

家庭の食事風景をスタジオで再現し撮影したもの。


かつおぶし

岡倉天心がモースに贈ったかつおぶし。
百年そのままの形で保存できる食品に、モースは驚いたろう。


美人像

明治になっても女性は和装が多かった。それにしても、この女性もかなりの美人だ。


うちわ

うちわにも文明開化の波が。百年前だから州を表す星条旗の星の数もだいぶ少ない。


髪結い

髪結い風景。毛受板けうけいた鬢盥びんだらい(道具箱)、手水盥ちょうずだらいなどが髪結い道具だった。


雨の宿場

雨の宿場風景。


井戸端

井戸端で米をとぐ風景。
まちなかは、少スペースで済む「滑車井戸」が多かった。


桶屋職人

桶屋職人。古い桶や樽の修理も大切な仕事だった。


富士山

和船と富士山の取り合わせは、日本の原風景ともいえそうだ。