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プロフィール

曲がり角

最近感じること。日本経済は大きな曲がり角に立っているのではないか。もっとストレートに言えば「日本が不況の入口に差し掛かっているのではないか」ということだ。

「国内にあるCDO(サブプライムローン)」

モルガン・スタンレーは、サブプライムローン関連の損失を最大1兆ドルと試算した。1兆ドル=110兆円、日本の税収の約2年分である。サブプライムローンを証券化という手法でまとめて投資家に売り出すABS(資産担保証券)。さらに自動車ローンやクレジットローンなどの雑多な債務と組み合わせたCDO(債務担保証券)という形にして各国の金融機関に売りに出していた。利回りが5〜10%、不動産などの担保があるという安心感、またS&Pなどが高格付けを付していることなどから、各国の金融機関がこぞって買いに走った。国債の金利が1〜2%と低迷する日本の金融機関も、である。

ただ、ABSもCDOも、一度焦げ付きが増加すると、換金しようにも発行者すら時価が幾らか分らなくなってしまう。担保を差し押さえようにも、いちいちアメリカ国内の一個人の資産を追い掛け回すわけにもいかない。事ここに至って優良金融商品だったABSやCDOは、時価も分らない、償還されるかも分らない、正体不明の不良資産になってしまったのだ。但し、サブプライムの組み込まれたABS/CDOそのものはそれほどの量が日本に入っていている訳ではない。だからABS/CDOの損失によって日本の金融機関が傾くとは考え難い。問題はその先にある。

「サブプライムが生まれた土壌」

米国の知人に「日本では貯金が幾らあるかが大事。でも米国では借金が幾ら出来るかが大事なんだ。クレジットリスクを恐れたら何も始まらないからね」と言われたことがある。そんな土壌だからこそサブプライムが生まれた。No Income/No Job/No Assetの頭文字をとったサブプライムの一種「NINJAローン」なるものはその名の通り「収入無し・仕事無し・資産無し」でも家を買えるというのが謳い文句。3年目から金利が急騰(金利が20〜30%になるローンもあった)するが、地価が上昇していれば土地建物を担保にまたローンを組み直せばよいと宣伝されていた。また、土地建物を担保に自動車ローンや薄型テレビなどの高価な商品をクレジットローンで購入する人も多かったという。地価が上昇を続けている間は、消費も旺盛で経済的な好循環が生まれる。米国への輸出で潤う日本の企業(ソニー・トヨタなど)は軒並み売り上げを伸ばし、好決算につながった。日本を代表する輸出企業の好業績は、サブプライムを原動力とする米国内のローン消費の恩恵に浴した結果だったとも言える。

「日本への余波は小さくない」

しかし、地価の下落で状況は一変する。金利が急に上がった住宅ローンの借り換えが出来ずに差し押さえに遭う債務者が続出。ローン延滞者(3ヶ月以上)は15%を超えた。同時に自動車ローンやクレジットローンも支払い不能となる債務者が続出した。今後消費が落ち込むと、新車や薄型テレビなどの高価な商品の売れ行きにブレーキがかかる可能性が高い。そうなると米国への輸出で稼ぐ日本企業は袋小路に閉じ込められかねない。日本国内での販売不振を輸出で稼ぐという図式が崩れるためだ。

一方、日本における外国金融機関は「パチンコ・消費者金融・不動産」に資金を集中してきた。それが信用収縮の煽りで、資金融資から資金回収に流れが180度変わってきている。前者2つについての影響は既に目に見える形で出てきている。次は不動産であろう。都心部の地価上昇は金余りの外国人によって演出されていたといっても過言ではなかった。この時計が逆に回り始めたら…。実感無き地価の上昇は海外マネーの流入によるものが中心で、流入した海外マネーが逃げ出せば元の木阿弥。地価も下落に向かう可能性がある。

サブプライム問題は対岸の火事だから日本国内の景気には何ら影響が無い、という論調も見受けられるが、大きな勘違いだ。世界経済は有機的に結びついており、そのエンジンとも言えるアメリカが変調をきたした時の影響は計り知れない。特に日米の経済的な一体度は世界でも例を見ない。日本はアメリカに大量の輸出品を買ってもらう一方で、米国債の最大の買い手となってその経済運営を支えてきた経緯がある。アメリカへの輸出が落ち込み、ドルが急落すれば、保有する米国債の運用が落ち込み、年金などの運営にも支障をきたす。まさに往復ビンタとなるのである。

「インフレと不況の挟み撃ち」

サブプライムで混乱する金融市場を救済する目的で、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は利下げを続けて資金の供給量を増やしている。一部で利下げ打ち止め論も出ているが、今後も利下げを続けなければ破綻に追い込まれる金融機関も出てくるため、さらなる利下げを行わざるを得なくなるだろう。結果として市場に資金がジャブジャブ出回ることになる。するとどうなるか。

ここ数年、世界的な資金は、原油や金・小麦をはじめとする商品市況に流れ込んでいる。そこに来て、アメリカが利下げを行うと「利下げ⇒様々な商品市況への資金流入⇒価格高騰」という流れが加速することは想像に難くない。いわゆるコモディティーの価格上昇が製造業の製造原価を押し上げ、それが出口である製品の価格にはね返る。カップラーメンやパンの値上げがいい例だ。この流れは止まりそうもなく、モルガン・スタンレーでは2030年に原油価格が2007年の1.5倍(1バレル150ドル)になると試算している。世界的なインフレの波はさらに高くなりながら日本に押し寄せると見られる。また、米国内の消費の落ち込みによって日本の主力である輸出産業の業績が悪化すれば、国内景気が冷え込み、賃金水準が下落に転じる恐れがある。世界的なインフレによる値上げラッシュと米国発の不況の挟み撃ちに遭えば、日本経済の停滞感はますます強まるだろう。景気が悪いのに物価が上昇するスタグフレーション懸念も頭をもたげてくる。

「それでも上げたい消費税」

先日実家の母親と電話で話していて驚いた。「消費税は上げないとダメみたいだねぇ」政府税調や政治家から次々に飛び出す「消費税増税」発言で、何となく増税することが規定路線になってきているようだ。自民党の財政改革研究会では2015年までに消費税10%にする方針を打ち出している。インフレで価格が上がった上に増税では泣きっ面に蜂もいいところだ。日本には長短期合わせて800兆円の借金があるから、1500兆円にのぼる個人金融資産に目をつけたのかもしれない。日本政府は国民に預貯金を奨励してきたわけだが、それはこんな時のためだったのかと勘繰りたくもなる。個人が爪に火をともす思いで蓄えてきた資産を使ってしまうというのはいかがなものだろうか。仮に、もし増税ラッシュによって個人資産を吐き出させて国の借金を返済したとしても、その先、日本にはもう払うお金が無くなってしまう。

内閣府発表の9月の景気先行指数は「0」。前回「0」になったのは1998年。ちょうど山一證券や長銀、日債銀が相次いで倒れた金融危機の頃である。企業の経営者は、あの金融危機の時と同じ位の閉塞感を持って、この先景気は良くならないと考えている。あの頃は大型減税を中心としたアメリカの景気拡大策によるITバブルで一息つけたものの、その頼みのアメリカはサブプライムで青息吐息。実感なき好景気の幕は下り始めている。

不景気にインフレに増税…。日本はいま大きな曲がり角に立っているように感じられてならない。いや既に角を曲がり始めているのかもしれない。

2007.11.24 | コメント[0]トラックバック[0]

覚悟の上で

小売業界にいる知人から聞いた話。

「新潟産コシヒカリは生産量の5倍が流通」
「名古屋コーチンは生産量の8倍が流通」
「国内産うなぎは国内生産量の7倍が流通」
「北海道産毛がには漁獲量の10倍が流通」
「大間のマグロは漁獲量の15倍が流通」

ということらしい。この場で産地偽装を云々する気はさらさら無い。こういったことが起こるのは、いわゆるブランド食材の需要に供給が追いついていない現状があるからだ。LOUIS VUITTONの8割、COACHの6割は日本人が買っているように、(カミさんを筆頭に)日本人はブランドが大好きだ。

「食材は量産できない」

バックや財布は大量生産が可能だが、食材はそうはいかない。宮崎産の地鶏が急に売れ出した時に、知り合いの養鶏業者が「手間と時間がかかるのに無理して…いつか混じり物が出るぞ」と話していた。結果はその通りになったし、宮崎では地面で飼っている鶏を「地鶏」と言っていたという言い訳は笑えない。それにブランド食材は手間と時間がかかるのは周知の事実。ブロイラーは孵化から55日〜60日経っていれば良く、細かい飼育条件は無し。地鶏は孵化80日以上経過し、孵化28日以降は1平方mに10羽以下の飼育が義務付けられるなど、条件が細々としていて割に合わないことが多い。大間のマグロだってそうそう簡単に釣れるものではないし、丑の日に消費が集中するウナギをその時期だけ国内で大量生産できるものではないことは想像に難くない。

「本当の食材」「本物の食材」

『Paretoの法則』というのがある。イタリアの経済学者Paretoが提唱した法則で、一定母数の集団は凡そ以下の割合になるという。

          『優秀:凡庸:劣後≒2:6:2』

働き蜂でも働かないものがいたり、働きアリでもうろうろ動きの鈍いのがいるように、様々な集団に同じ傾向が見られると言う。実は地鶏なども同じ様な割合で、飛んだり跳ねたりする活発な「地鶏らしい地鶏」は集団の2割位しかおらず、劣後の2割は寝たりボーッとしたりしてばかりだったりする。ということは、血統は純粋な「本当の地鶏」だったとしても「本物の地鶏」かどうか微妙な個体もいるということになる。だから「本当の地鶏」を手に入れた所で「本物の地鶏」かどうかは分からないのだ。

「悪貨が良貨を駆逐する」

この言葉は、16世紀のイギリスで、時の支配者ヘンリー八世が銀の含有量を落としたシリング通貨を流通させた結果、人々はそれまでの「良貨」をしまいこんで「悪貨」ばかりを使うようになり「良貨」が市場から消えたという事象に由来する。良貨と悪貨が共存すると、悪貨に良貨は駆逐されることになる。食文化において、悪貨と良貨は、ある食材を生み出すことがどれくらい困難かというコストの差に相当する。苦労して生み出した価値のある食材と、そんなに苦労しないで生み出すそんなに価値のない食材が、市場において同じ評価を受ければ、どうしても悪貨製造に走る生産者が出てくる。「本物」は作るにのも手に入れるのも大変。時代が変わっても、資本主義社会の中では同じ事が起きるものらしい。

「人間の舌はアテにならない」

そもそも人間の舌はいい加減だ。舌の上にある味蕾(みらい)という受容感覚器に触れた化学物質が脳に伝わり、その組み合わせで「味」になる。その感覚は生まれや育ち、嗜好や自然環境のほか、時間や疲労具合等々、様々な条件に左右されるため、その反応にはかなりの幅がある。いってみれば、かなりいい加減な感覚器官なのだ。高級ワインと安いワインを隠して飲ませ、どちらが高級かを当てさせるクイズでなかなか正解が出ないのもそのせいだし、「プリン+醤油≒ウニ」「羊羹+バター≒スィートポテト」という組み合わせがあるのもそのせいだ。人間の舌はアテにならないのである。
 
「新鮮ならいいってものでもない」

魚は新鮮なものがうまい、って信じている人が多いようだが、とれたての魚なんて上手くない、というのは化学的に証明されている。一部の青魚を除けば、とれたての魚は死後硬直が激しくて身は硬く、うまみ成分であるイノシン酸がほとんど含まれていない。魚は死後数時間経つと、死後硬直が解けた後に、うまみ成分の素となるイノシン酸が出てくる。特にフグのような淡白な魚はこのイノシン酸が命で、水槽で泳いでいるフグを喜んで食べている人は(笑)。本場下関の料亭などは1週間前の予約しか受けない。みがき、といってふぐをさばいてから、最低1週間くらいは置かないとイノシン酸が出てこないからだ。

実は肉も同じで、うまみが出るのに2週間位かかる。この腐る寸前の肉が美味しいので、胡椒が世界貿易の中心になった。何気なく「塩・胡椒」なんてセットで言っているけれど、胡椒の発見は当時の西洋人にとっては天からの贈り物に等しかった。腐りかけているから胡椒で味をごまかす。でもそれがうまい…というのが肉のうまみの本質。だから肉や魚は新鮮ならいいってものでもない。あ、モツなどの内臓系は例外。モツや内臓には筋肉が無くイノシン酸が出ないので、こちらは鮮度が命。

教訓…やたらに高いものを食べるのは止めましょう(笑)。一億総グルメなんて言うから悪貨を作る人が出るし、間違った知識が横行するからそれにつけ込む悪い業者が出てくる。それに人間の舌はとってもいい加減なんです。それでもグルメしたいなら「覚悟の上で」やることです。

2007.11.17 | コメント[0]トラックバック[0]

ズレてる

急激な円高が進行している。1ドル110円割れがなぜニュースになるのか。まずは、円高に関する識者のコメント。

【福田総理】
心配することは少しもない。日本のファンダメンタルは悪くない。住宅着工の遅れは10月から円滑に建築確認も出来るようになると国交相が言ってた。円高なら輸入企業の原価が安くなるので差し引きどうなるか。株が下がるというものでもない。

【町村官房長官】
円の値上がりは非常にいいこと。円は日本の評価だから、円が上がるというのは日本経済の評価が上がるということ。輸出企業の業績に影響する?政府としては円の水準にどうこう言うつもりはない。

え〜…二人ともズレてます。官僚の皆さんも困ったことでしょう。今回の円高の原因は大きく以下の二つ。

『米国景気後退懸念によるドル安』
サブプライムローンなんて金融業界では去年から話題になっていたので何を今更って感じだけど、CDOやらABSやらSIVやらに分散されたうえ、世界各国にバラ撒かれていたために、時限爆弾のように炸裂してきた。投げつけてた当の本人(米系金融機関)が大きな損失を出し、金融機関のシステム受注が減ったソフト業界が煽りを食い、ローンに苦しむ個人の消費が冷え込み…というリセッションの懸念で、ドルが売られた。対ドルの通貨は軒並み上げているけれど、それはシーソーの関係で、ドルが下がったから他の通貨が上がったというだけの話。円もその一つに過ぎない。

『円キャリーの解消』
日本は去年までゼロ金利が続いていた。その安い円を借りて海外の株式や不動産や債券などに投資する手法を『円キャリー』と言う。BRICsなどの新興国の株高を演出した助演男優が実は「日本円」だった。海外投資が順調なときは「円⇒海外」という流れが出来ていたので「円安」になっていた。ところが、米国景気後退懸念でリスク資産を縮小しようとする動きが一気に高まったため「海外⇒円」という流れが出来て「円高」になった。それが『円キャリーの解消』でここ数日の流れ。だからここ最近の「円安」「円高」は日本国内の景気なんて全く関係ない。日本円が海外の投資の「道具」になっていただけで、日本経済が評価されたなんて話せば笑いものだろう。

「いい円高」と「悪い円高」

バブル景気時に1ドル90円を割るような円高があったが、その時は「株高」「円高」で純粋に海外の資金が日本経済に流れ込んでいた。日本経済の強さが評価された「いい円高」と言える。しかし今は「株安」「円高」。一週間で東証一部の時価総額の56兆円が吹き飛び、日銀の保有する米国債の評価損が爆発的に増え、トヨタやソニーなどの輸出関連企業の為替差損が膨らんでいる。輸出関連企業の想定為替は1ドル115円前後で、1円円高になるだけで数億〜数百億が吹き飛ぶ計算。法人税が減って苦しむのは日本政府だ。また年金の運用にも米国債が大量に組み込まれており、ただでさえ苦しい年金の運用がますます困難になる。「私は投資なんてやってないから円高なんて関係無い」と考えているあなた!他人事ではありません、あなたの預けた年金が「円高」で磨り減っているんです。

金融教育が必要と言われて久しいけれど、一番必要なのは「ズレてる」人たちでしょうか。

2007.11.13 | コメント[0]トラックバック[0]

10の約束

都心部の新築マンションの8割がいまやペット飼育可能だとか。マンションの契約戸数が減少を続けている状況では、今まで「ダメ」と言っていたものを「まぁいいでしょう」とすることで苦境を乗り切りたいのだろう。大和総研によれば、マンションの需要は2000年を100とすると人口の減少などで2040年には80〜85まで低下するそうだから、下り坂には間違いない。とはいえ、マンションによってはペット用の出入り口や浴室、ドッグランという自由広場からペットコンシェルジュ(お世話や相談に乗る人)付きの所もあるらしい。一度始めたら徹底するのは日本式サービスの“らしさ”か。

でも、設備だけで犬や猫と一緒に生活できるわけではない。世話をする動物が居れば、毎日世話をしなければいけないし、遠出も出来ないし、面倒なことが何かと多い。子どもの頃に「ちゃんと世話をするから飼って〜」と親御さんに頼み込んでおきながら、大きくなったらほっぽらかし…という思い出のある方って結構多いのではないだろうか??かくいう自分がそうだったので、何にも言い訳は出来ない。僕を含めたそんな思い出のある人、そしていま動物と一緒に暮らしている人にこんなお話。

犬の立場から飼い主にしてほしいと願う事柄を記した短篇詩「犬の十戒」。邦題は「10の約束」という。作者不詳だけれどいい話なので、映画化されるという話も。読んでみると、あぁそうだよなぁ…今までごめんね…という切ない気持ちになる「10の約束」。

1. 私と気長につきあってください。
(Give me time to understand what you want of me.)
2. 私を信じてください。それだけで私は幸せです。
(Place your trust in me. It's crucial to my well-being.)
3. 私にも心があることを忘れないでください。
(Be aware that however you treat me I'll never forget it.)
4. 言うことをきかないときは理由があります。
(Before you scold me for being lazy, ask yourself if something might be bothering me.)
5. 私にたくさん話しかけてください。人のことばは話せないけど、わかっています。
(Talk to me sometimes. Even if I don't understand your words, I do understand your voice when it's speaking to me.)
6. 私をたたくなら考えてください。私はあなたを噛むことができるのにそうはしていないことを。
(Remember before you hit me, I have teeth that could hurt you, but that I choose not to bite you.)
7. 私が年をとっても仲良くしてください。
(Take care of me when I get old.)
8. 私は十年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。
(My life is likely to last 10 to 15 years. Any separation from you will be painful for me.)
9. あなたには仕事も楽しみもあるし友だちもいます。でも私にはあなたしかいません。
(You have your work, your entertainment, and your friends. I have only you.)
10. 私が死ぬときはそばにいてください。そうすれば安心して旅立てます。そして覚えていてください、私があなたをずっと愛していたことを…。
(Go with me on difficult journeys. Everything is easier for me if you are there. Remember I love you . . .)

原文は英語。短文なので深みを出すのは難しい。大学時代に英語を師事したMartin氏は常々「言葉をそのまま理解しなさい。そして訳という愚かな概念を捨てなさい。言葉には歴史や文化や自然風土が全て包含されている。それを他の言葉に置き換えるのは本来不可能なことだ」と話していた。より深く読みたい方は原文で理解することをお薦めする。

…とかいう小難しい話は置いて「10の約束」はなかなか含蓄があると思う。小さい頃実家で雑種のあまり頭の良くない犬を飼っていた。食いしん坊で甘えん坊で、お世辞にもいい犬ではなかったけれど、僕のことを一番に信頼してくれていたと思う。それに対して、僕はあまりいい飼い主ではなかったけれど、成長期の一時期を共に過ごしてくれたこの犬のことは今でも忘れたことは無い。「10の約束」は犬に関することになっているが、猫でもハムスターでもイグアナでも同じことだろう。

日本ではペットと言うが、英語ではpartnerと言う。ペットというより温かみがあるように思う。連れ添う動物をpartnerとして対等に接することの大切さを気づかせてくれる「10の約束」。

これを読んでハッとしたあなた!「善は急げ」ですよ!

2007.11.10 | コメント[0]トラックバック[0]

最大の偽装

比内鶏に赤福に吉兆…偽装が後を絶たない。
政府はこれに苦言を呈し、行政は指導に入っている。
しかし、指導する政府や行政もこんな「偽装」をしていないか。

それは3年前に成立した改革年金法。

当時は「100年持つ」と宣伝していたはずの現在の年金制度だが、導入からたった3年経過しただけで「現状のままでは破綻」と言い出した。それをいいことに、年金が早くも消費税率引き上げの材料にされている。

いまは3年前の年金改正で掛け金率が13.58%から18.30%まで、毎年0.354%ずつ段階的に引き上げられている最中だ。その最中に「年金制度を維持するには消費税の引き上げ以外に方法が無い」という試算が出され、政治家の税制改革の発言などが噴出。「基礎年金全額負担なら消費税を5〜7%引き上げることが最低でも必要。最大で消費税17%に」という政府の諮問会議による試算が出てくる始末。

3年前に政府は「消費税に頼らず掛け金率の引き上げで対応できる」と明言していた。

政府は当時の年金の計算において、基礎となる数字で、まず出生率が劇的に上昇するという現実離れした前提を立てた。さらに、年金の運用利回りでは国内の最高の運用機関でも実現不可能な運用成績を見込んで設計していた。GDPの伸び率もそうだ。能天気な試算をもとに国民の掛け金率を引き上げるだけ引き上げて、挙句の果てに「消費税」である。最初の試算が短期間で破綻することは目に見えていた。

これは年金の「偽装」ではないのか。

2008年から株式の譲渡益や配当部分への課税が10%から20%に引き上げられる。課税強化は個人投資家や富裕層を狙ったものだが、ここに大きな落とし穴がある。「日本株の最大の株主」は他でもない公的年金だ。税率を2倍にすれば当然公的年金の運用成績が落ちてしまい、運用目標未達となるのは目に見えている。「私は株なんかやってないから関係ない」という話ではなく、年金の掛け金として預けたお金が運用される部分での課税強化だから、株をやる、やらないに関係なく、国民全部からの課税を強化するという図式だ。

そもそも人口減少や産業の停滞、GDPの伸び率低下を嫌気した外国の資金がエマージングに流入している状況下で、日本株式は年初からほとんど上昇していない。韓国は50%上昇、中国A株は100%上昇(約2倍)だ。

年金の掛け金率を上げ、年金運用部分の課税を強化し、挙句に消費税を上げるという何でもありの年金制度。仮に消費税で年金を賄っても、そこに「偽装」が出てきてさらなる増税、となる恐れもあるだろう。

私たちの老後の唯一の生活の支えとなる年金が、こんないい加減な「耐震設計」で作られているとは…言うべき言葉も見つからない。

2007.11.03 | コメント[0]トラックバック[0]