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おおの おさむ

大野 修

プロフィール

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そこまで???

先日、酔っ払った友人(外資系金融機関勤務)が深夜に電話をかけてきまして…。少しは迷惑を考えなさいよN君(笑)。

「そこまで???」

友「お前、外資系だって大変なんだぜ。サブプラもあってさぁ」
大「大損くらって給料カットとか?」
友「N.Yの運用担当なんか50%カットだって」
大「それじゃ生活できないんじゃないの?」
友「しかもあっちの連中は貯金もしてないんだぜ。まだ給料貰えるだけマシだけどね」
大「レイオフされるよりはいいか…」
友「レイオフは一時的なもんだろ。朝来たら机が無い奴も居たらしいよ」
大「…そう言えば円高ドル安もひどいね」
友「うちのバイス(取締役)が、今年中にドル80円台もあるって言ってた」
大「1ドル80円台!?そこまで???」
友「あと2〜3回利下げしたらこうなるだろ。実効レートはもうそれを織り込み始めてるし、アメリカの製造業を立ち直らせるいい機会だしな」

「1ドル80円台」

というワケで、金融の専門家によると今年中に1ドル80円台もあり得るんだとか。ドルが安くなればアメリカの製品が海外に安く輸出できるため、アメリカ国内の製造業は元気になる。景気回復のシナリオとしては常道です。それは結構なんですが、前期の日本の輸出企業の想定レートは平均で1ドル112円。ということは、ドルベースでの売り上げが為替で30%も吹き飛ぶことに。さらに、輸出企業の損益分岐点は1ドル106円。これでは日本の景気が傾く恐れすらあります。

5月には来期の業績予想が出ますが、減益予想が目白押しになるでしょう。

そうそう!日本の外貨準備高は1兆ドル(≒100兆円)あります。米国短期債が中心なんですが、ドル一本勝負!の外貨運用です。男ですねぇ。でもですね、銀行などの資産運用のパンフレットには「資産は分散してリスクを減らしましょう!一つに集中すると思わぬリスクに遭遇します」と書いてあります。

そうなんです。書いてあるんです。初心者向けに。

「▲18.5兆円」

でも、日本の財務省はドル一本勝負できました。たしかに外交上の制約があったかもしれないし、円高阻止のためにやむを得ずやったかもしれない。それでも「そこまで???」という集中ぶりでした。日本がこれだけドル建て資産を持っていることは、世界でも有名なハナシ。

そして、額賀財務大臣の口からこんなお話が…。

「額賀福志郎財務相は27日の参院財政金融委員会で、2月末に1兆ドル(約100兆円)を超えた外貨準備高に円高・ドル安が及ぼす影響について『1ドル=100円で計算した場合、18.5兆円の評価損が出ている』と述べた。外貨準備の大半は米国債で運用されているため、円高・ドル安が進むほど円換算の資産価値は目減りする」(時事通信3/27/2008)

日本は、ドル100兆円分を平均118円前後で買っていた。もっと簡単に言うと、118円で買ったドルが、いま98円位になっているんです。債券ですから持っている状態は「評価損」、売却すれば「実現損」となります。ここまでお読みになった方はもうお分かりですね。

友「うちのバイス(取締役)が、今年中にドル80円台もあるって言ってた」

1ドル100円で▲約18.5兆円。
1ドル90円なら▲約30兆円。
1ドル80円なら▲約40兆円。

「財布の中身」

財務省の資料によると平成19年度の日本の税収は約53兆円です。この評価損がどれだけ大きいか、よくお分かり頂けると思います。一般企業ならとっくに潰れているでしょうね。担当者はレイオフではなく、朝来たら机が無いでしょう。道路特定財源で59兆円分の道路を作ると息巻くのも結構ですが、国内景気の悪化具合も見定めながら、国の財布の中身をよ〜く見詰め直して頂きたいものです。

ツケは私たち国民に回ってくるのですから。

2008.03.29 | コメント[0]トラックバック[0]

年金パズル

『ねんきん特別便』-5000万件もの宙に浮いた年金記録の推定該当者に送られる封書が、先日、僕の所にも届きました。政府・自民党が3月末までに全ての記録を突合すると豪語していたにもかかわらず、3月半ばに届いたこの封書。他人事ではない、と感じた一方で、分かりにくい仕組みに少々憤りも感じました。

「消えた記録」

僕は大学在学期間に『国民年金』に、大学卒業後に入社した企業で『共済年金』に、そしてFCTで『厚生年金』にそれぞれ加入しています。消えていたのは『共済年金』の部分。平成7年〜8年という1年ちょっとの部分でしたが、『ねんきん特別便』に記載されている記録には、すっぽりとその部分が抜け落ちていました。

「年金パズル」

『ねんきん特別便』には「記載されている記録に不備がある場合には、年金手帳など証拠となるものを用意の上、専用ダイヤルに電話するか社会保険事務所に行って記録を訂正するように」とありました。

資料には、社会保険庁が把握している年金記録が記載されているだけで、宙に浮いた可能性のあるデータは記載されていませんでした。記録をすっ飛ばしたのはこちらではなく社会保険庁のはず。これでは、社会保険庁が出題した「年金パズル」を各自で解いてみなさい!というのと変わりないような気が…。

この対応は、例えば自動車メーカーがリコールをかけるのに「あなたの車はどこかに不具合があります。自分で不具合の箇所を探した上に、その証拠を持って来なさい」と言ったり、あるいは食品メーカーが「食品に不適切なものが混入してしまいました。それを自分で探して持って来なさい」と言うのと同じなのではないでしょうか。

「ヒントを教えないようにというマニュアルがあった」「該当する年代の出来事を言わせるように指導していた」など、瑕疵のあった一般企業ならばあり得ないような対応が国会でも暴露されていましたが、今回の一件で、社会保険庁と一般感覚との意識のズレは現状では埋めようが無いように感じました。

「電話してみた」

早速『ねんきん特別便』に書かれていた専用ダイヤルに電話してみました。待つこと3分…。最初に「この電話は市内通話の料金がかかります」との自動音声による説明。記録を消された上に電話料金までかかるのか…。

年「お待たせしました。年金特別ダイヤル・担当Tが承ります」
大「『年金特別便』が送られてきたんですが」
年「加入記録に間違いや欠落はございましたか?」
大「はい。平成7年〜8年の記録が全部抜けてます」
年「では、本人確認をさせて頂きます。まず電話をかけている方のお名前と住所、生年月日と電話番号をお願いします」
大「○○、▲▲」
年「では、奥様のお名前と生年月日を」
大「は?僕の記録の確認ですよね。独身時代の記録なのに、何でカミさんの情報が必要なんですか?」
年「そう言われましても規則ですので。なりすましの防止のためです」

※ここで血圧が上がる※

大「規則規則って言いますけど、抜けた記録の部分にカミさんは関係ないでしょう!」
年「あ〜…どうしてもダメなら仕方ないです。では返信用はがきに記載されている12桁の数字を読み上げて下さい」
大「○★〒※」
年「はい、結構です。記録漏れがあったということですが、いつ・どこにお勤めだったんですか」
大「平成7年〜平成8年まで○○に勤めて○○共済に加入していました」
年「あ〜はいはい…そうですか…。では返信用の書類に当時の共済年金の年金番号と勤務地の住所などをすべて記載して送り返して下さい。こちらから確認の書類を送りますが、早くて半年位、遅いと一年位かかります」

※さらに血圧が上がる※

大「何でそんなにかかるんですか?」
年「受給者の方から優先して作業をしていますので」
大「そんなにかかるなら社会保険事務所に行きます」
年「混み合っていますので社会保険事務所には行かれない方がいいと思いますよ」
大「一年かかるかもしれないなら社会保険事務所に行った方が早いでしょう」
年「書類を送って頂いても同じ事ですから出来るだけ送って下さい」
大「…」

今回の一件で感じたこと。
[1]「3月末までに全て解決する」と言っていたのに3月も半ばになって『ねんきん特別便』が来た
[2]わずか10年程前の記録が消えていた
[3]国内最大規模の企業の『共済年金』の記録が消えていた
[4]『ねんきん特別便』は「年金パズル」に近い内容である
[5]最終確認作業までさらに1年近くかかる恐れがある

年金は老後の「安心」につながる庶民の生命線とも言えるもの。それがこれ程いい加減に扱われていたとは…。聖徳太子が「十七条憲法」で「国の本は信にあり」としていますが、「国民の信」が無くなれば「国の本」が崩れかねません。年金の基礎部分を全額税方式にするといった次の議論も大切ですが、「国民の信」を取り戻すためには、宙に浮いた5千万件を一件でも多く、速やかに突合させる地道な努力が必要だと痛切に感じました。

2008.03.22 | コメント[0]トラックバック[0]

頂いたメッセージ(11)

「前、どこかで聞いた話なんですが、桜の開花を予測するときには『600度の法則』をもとにするって本当ですか?」(KAT-TUN大好きさん)

『600度の法則』は「元日からの平均気温の積算が600度になる頃に桜が開花する」というものです。同じように「元日からの平均気温の積算が400度になるとスギ花粉が飛び始める」という『400度の法則』もあります。

気象庁では、桜の開花予想について「過去の開花日と気温のデータから予測式を作成し、これに、昨年秋からの気温経過と気温予測を当てはめて予測します」としています。その結果が『600度』に近いことが多いため、『600度の法則』と言われるようになりました。

したがって、気象庁が『600度の法則』に基づいて予測を出している訳ではなく、気象庁の出した予測が結果的に『600度』に近い数字で出てくる、という理解が正しいです。

ちょっとややこしいですが(汗)。

2008.03.20 | コメント[0]トラックバック[0]

○○一匹で…

B級ニュースとしてもうご存知の方もいるかも知れません。○○一匹でまさかここまで…という事態が起こりました。これからは局内の至る所にホイホイを仕掛けなければなりません。イギリスの新聞『The Guardian』より。

The Guardian(22/02/08)

For the viewers of Turkmenistan's popular nightly news programme, Vatan, it was another routine bulletin. But as the newsreader began the 9pm broadcast, viewers across the central Asian country spotted something unusual crawling across the studio table: a large brown cockroach. The cockroach managed to complete a whole lap of the desk, apparently undetected, before disappearing. The programme, complete with cockroach, was repeated at 11pm that night.

「トルクメニスタンで人気のある、夜のニュース番組『Vatan』の視聴者にとって、それはいつものニュースだった。だが、午後9時の放送でアナウンサーが原稿を読み始めた時、この中央アジア国家全国の視聴者は、或る珍しいモノがスタジオのニュース・デスクを這っているのを発見…大きな茶色のゴキブリだった。ゴキブリは姿を消す前に、明らかに気づかれることなく、無事にデスクを渡り切った。同ニュースは午後11時にゴキブリが映り込んだままで再放送もされた」

『コックローチ』という商品がありますが、『コックローチ』はそのものズバリのお名前です。とは言え、ニュースの最中に巨大なゴキブリが机の上を歩いていたら、自分だったらどうしただろうと考えてしまいました。果敢に闘ってもいいのですが、その様子は生放送でお茶の間に届いてしまうのです…う〜ん…困った。

It was only at 9am the following day that horrified officials from Turkmenistan's ministry of culture discovered the cockroach's guest appearance. And that, perhaps, should have been the end of the matter, the mildly entertaining footage being consigned to the occasional airing by the Turkmenistan equivalent of Denis Norden on a telly bloopers show.

「トルクメニスタン文化省の恐れおののいた職員が、ゴキブリのゲスト出演に気付いたのは、翌朝9時になってからのことだった。そして多分、それでおしまいだったはずだ…トルクメニスタン版『NG大賞』か何かで時々放映される、ちょっと愉快な映像で終わるはずだったのだ」

日本でも各テレビ局が年末や年度末に『NG大賞』なるものを放送しますが、この話題はそれこそ笑いの種になると思います。日本なら。でも、トルクメニスタンは違ったんですね。

But the consequences of this particular cockroach's impromptu five minutes of fame were immediate and severe. The country's president, Kurbanguly Berdymukhamedov, took news of the insect so badly that he responded by firing no fewer than 30 workers from the main state TV channel, the news website Kronika Turkmenistan reported yesterday.

「しかし、このゴキブリが緊急出演で浴びた5分間のスポットライトは、すぐに、しかも苛烈な結末を呼んだのである。同国のグルバングル・マリクグルイェヴィチ・ベルディムハメドフ大統領は、ゴキブリ出演のニュースに激怒。激怒した勢いでこの主要国営テレビ局の職員30人以上を首にした、とKronika TurkmenistanのHPが昨日伝えた」

Those sacked in the cockroach debacle included journalists, directors, camera operators, and technical staff, the website reported. Yesterday nobody from the Turkmen embassy in Moscow was available for comment.

「ゴキブリ騒ぎで首になったのは、ジャーナリスト・ディレクター・カメラマン・技術スタッフが含まれる、とHPは伝えた。きのうの在モスクワ・トルクメニスタン大使館には、コメント出来る人が誰もいなかった」

衛生上の問題とか、スタッフの対応とか、色んな面での問題はあったにせよ、いくら何でもクビは無いんじゃないかと。とは言え、このニュースを見てからは、放送前に周囲をよく確認するようになりました。

特に机の周りを。

2008.03.15 | コメント[0]トラックバック[0]

アスリート

名古屋国際女子マラソンに釘付けになった。大会から遠ざかっていた高橋尚子選手がどんな走りをするのか、その一点に注目して。結果は27位。シドニーでの快走が目に焼きついていた僕は、走る姿に痛々しさを感じた一方で、アスリートとしての誇りも感じた。

「諦めなければ夢はかなう」(高橋尚子)

中学時代からバレーボールに打ち込んできたアスリートの端くれとして僕が思うこと。それは、自分がどんなに頑張っても越えられない壁があるということ。そして、それを一番良く分かっているは自分だということ。でも、それでも挑まなければならないときがあるということ。これはアスリートの宿命といってもいいと思う。

高橋選手の今回の走りに「もう限界だ」「無謀な挑戦だった」など、ネガティブな意見も多く聞かれた。1年4ヶ月も大会から離れていた上に、去年の夏に内視鏡手術で右膝の半月版を半分摘出。大事な時期のスピード練習が十分出来なかったという時点で、高橋選手ほどのキャリアがあれば、自分で今回の結果を十分に予想できていたはずだと思う。出場すればマスコミに囲まれ、注目され、演出されることも分かっていたはずだ。それでも高橋選手が挑んだ理由は何だったのだろう。

「最後に日本のファンの前で滑りたかった」(本田武史)

この言葉は2年前に引退した男子フィギュアスケートの本田武史選手の言葉。2006年のトリノ五輪出場をかけた直前のグランプリシリーズで負け、オリンピック出場は絶望となっていたにもかかわらず、本田選手は最終選考の意味合いがあった全日本選手権に挑み、そして敗れた。

全日本選手権は本田選手が14歳で初優勝して以来、負け無しという思い出深い大会だった。しかし、4回転ジャンパーの生命線である足首の骨折、それに伴う練習不足、採点方式の改正…。勝てる要素は皆無に近かったこの大会に、それでも出場した理由。それを彼に聞いたときに返ってきた言葉がこれだった。

負けるかもしれないけれど挑まなければならない時がある。これがアスリートの誇りであり美学でもあると思った。

高橋選手が選んだ大会は地元の名古屋。それもシドニー五輪出場を決めた思い出の深い大会だった。高橋選手が他のランナーに抜かれていく中継映像を見ながら、ふと本田選手の言葉が耳に甦ってきた。負けるかもしれない、それでも、地元で走る姿を見てもらいたい。もしかしたら、高橋選手はそういう誇りと美学を胸に、2時間44分18秒を走りきったのかも知れない。

2008.03.10 | コメント[0]トラックバック[0]