ここから本文エリア 放置自転車減らぬ2008年05月23日
◇松山市、9億円有料駐車場ガラン 松山市が、中心商店街の大街道かいわいで一向に減らない放置自転車に対し、有効策を打てないでいる。放置自転車を一掃しようと市は連日、指導員を派遣しているが、マナーの悪い市民から「なぜ、止めたらいかんの」 と逆に罵倒(ばとう) される始末。有料の市営駐輪場の利用を勧めても、「なぜ、駐輪にお金がいるのか」 となかなか聞き入れてもらえないのが現状だ。 (鈴木洋和) 大街道かいわいは、市の「自転車等の駐車対策に関する条例」 に基づいて自転車の放置が禁止されている。放置自転車は街の景観を損ない、消防や救急の緊急車両の通行などを妨げるためだ。 95年にこの条例を施行した市は翌96年8月、約9億1千万円をかけた3階建て駐輪場(ミニバイクを含め、850台収容) を大街道にオープンした。 ところが、駐輪場の利用率は07年度がわずか9・5%。過去最高の97年度も13・2%で、常にがらがらの状態だ。自転車は1回の利用に100円の料金がかかることや、午後9時で出入り口が閉まることが敬遠される理由とみられている。 駐輪場を無料にしない理由について、市総合交通課は「自転車を利用しない人には必要ない駐輪場の運営を、税金で負担するのは公平でない」 と説明。また、大街道かいわいには5カ所の民間駐輪場があり、うち4カ所が有料のため、「市営を無料にすると、民間の経営に悪影響を及ぼす」(同課) としている。 駐輪場の利用率アップを図るため、市が01年から大街道に派遣しているのが、指導員の「サイクルガイド」だ。約15人が毎日、自転車を路上に止めようとする市民に声をかけ、駐輪場の利用を呼びかけている。 ところが、「あなたたちのおかげで自転車を置けない客がよそへ行けば、大街道が寂れる」 「ほかにも止めている自転車があるやないか」 と反論する市民が少なくなく、現場は苦労の連続だ。サイクルガイド歴3年の水田加代子さん(66) は「罵倒されたことが何度もあります。声をかける時は、いきなり注意しないで、『こんにちは』 と笑顔であいさつするよう心がけている」 と話す。 指導員の奮闘にもかかわらず、大街道かいわいの1日当たりの放置自転車数は452台(07年12月調査) に上る。01年9月調査の439台と、ほとんど変わっていない。 市総合交通課の掛水淳史(あつし) ・駐車駐輪対策担当は「放置自転車対策は正直なところ、行き詰まっている。市民のモラルには何十年も訴えてきたが解決できなかった。景観や安全、防犯などの観点から、どのような街づくりを目指すのか、市民みんなで考えていくしかない」 と話した。 マイタウン愛媛
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