学校裏サイト、管理人に賠償命令…大阪地裁
「学校裏サイト」と呼ばれるインターネット掲示板に、実名を挙げて中傷する内容の書き込みをされたのに放置され、精神的苦痛を受けたとして、大阪市内の少女がサイト管理人の男性に慰謝料など220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、大阪地裁であった。山下郁夫裁判長は「学校生活に被害が及ぶことは容易に予想できたのに、迅速に対処する管理義務に違反した」として、男性に55万円の支払いを命じた。「いじめの温床」との指摘があり、社会問題化している学校裏サイトを巡り、管理責任を認める司法判断は珍しい。
判決によると、少女が中学1年だった2006年8月、通学する学校の裏サイトに、少女の実名とともに「ブス」「うざい」などの悪口が書き込まれた。これを見つけた学校側が削除を求めたのに、男性は拒否。悪口に同調したり、中傷することを非難したりする書き込みは計88回に上り、男性が少女の親の要請に応じて削除する同年10月下旬までサイト上に残った。
精神的ショックを受けた少女は転校し、塾に行くのもやめたという。
学校裏サイトは、学校が運営する公式ホームページと異なり、在校生らが独自に運営。文部科学省の全国調査では、「死ね」「殺す」などの暴力的な言葉を含むサイトが3割近くに達していた。
(2008年5月24日 読売新聞)