青森市の県立美術館で24日から開かれる標本展「人体の不思議展」が、人間の人体(遺体)の尊厳を汚すものだとして「人体の不思議展に疑問をもつ会」(事務局・福島市、刈田啓史郎代表)が23日、同展への反対会見を県庁で開いた。メンバーの男性医師は「教育的な企画と銘打ちながら人間を冒とくしている」と批判した。
同展は、人体を新技術で防腐処理し、体内の水分を樹脂と取り換える「プラストミック標本」として展示。常温で半永久的に保存できるのが特徴で、臓器など体の一部の標本も並べている。これまで全国24カ所で開かれ、延べ530万人を動員。県内では初めて。
同会は「献体者の同意が得られているか」といった質問からなる公開質問状を主催者の「人体の不思議展実行委員会」(東奥日報社、青森放送)などに4月中旬と5月中旬の2回送った。実行委は「質問に回答するかどうかも含めて検討中だ」と話している。同展は7月21日まで。【鈴木久美】
毎日新聞 2008年5月24日 地方版