四川の世界遺産も被害、観光にも打撃
中国・四川省大地震の死者・行方不明者はあわせて8万人を超えました。被災地には、世界遺産に指定された観光地も多数あり、大きな打撃を受けています。 Q.観光客はどれくらい減りましたか? 「半分以上減りました」 Q.外国人観光客は? 「来ません。地震のせいですね」(女性) 今回の地震は、四川省の観光業にも暗い影を落としています。海外から年間およそ100万人が訪れる四川省。被害を受けた文化財は保護指定されていたものだけでも100か所以上にのぼります。 観光業の損失額は日本円にして少なくとも7400億円になるとみられています。 地震の影響は、震源に近くなるほど深刻です。都江堰の堰全体に大きな亀裂が走っています。そして、世界遺産であることを示すプレートも完全に壊れてしまいました。 2300年前に作られた水利施設で、世界遺産にも登録されている都江堰。堰の周りにある貴重な文化遺跡も、地震のためほとんどが倒壊してしまいました。 「非常に多くの重要な文化財が失われました。悲惨で、見るに忍びない。とても沈痛な思いです」(都江堰の管理責任者) 倒壊を免れた地元の商店街も、都江堰の観光客受け入れ再開のメドが立たないため、シャッターを閉めたままです。 「仕事を失ったことが最大の問題です。大勢の人が途方に暮れています」(地元の商店主) 地元の人たちは都江堰が修復され、見学が再開されるのを心待ちにしていますが、世界遺産の修復にはユネスコ委員会との調整も必要なため、復旧がいつになるのか、見通しは立っていません。 中国環境保護省は23日夕方、記者会見で地震のために放射性物質15個ががれきの下などにあって、未回収になっている、と明らかにしました。 また、中国政府などは地震による死者が5万5740人、行方不明者は2万4960人で、「被災地の復興には3年かかる」との見通しを示しました。(23日18:10)
|