読売新聞 |
職場でのストレスなどが原因で「心の病気」となったとして、2007年度に労災認定を受けた人は前年度比3割増の268人で、過去最多となったことが23日、厚生労働省の調べでわかった。
このうち、未遂を含む自殺(過労自殺)も15人増の81人で最多となり、03年度の2倍超に急増している。長時間労働などで脳や心臓の病気になり、労災認定を受けた人も過去最多となり、労働環境の悪化で疲弊する人が増えている実態が浮き彫りになった。
心の病気で労災認定を受けた人を年齢別にみると、最も多かったのは30歳代の100人で、37%を占めた。20歳代の66人(25%)、40歳代の61人(23%)が続き、若い世代で仕事や人間関係のストレスを多く抱えている様子がうかがえる。
業種別では、製造業が59人で最も多く、以下、卸売・小売業41人、建設業33人、医療・福祉26人の順。
心の病気を理由とした労災の申請者数も、前年度より133人多い952人と過去最高を更新した。
一方、脳や心臓の病気で労災認定を受け、いわゆる「過労」と考えられるのは前年度比1割増の392人。このうち死者(過労死)は142人で、前年度より5人減った。
過労の392人を原因別にみると、長時間労働が主因とされたのが362人。1か月平均の残業時間では80時間以上100時間未満が135人で最も多く、100時間以上120時間未満も91人、160時間以上も35人に上った。厚労省は、1か月の残業80時間以上を「過労死ライン」として認定の目安にしている。
年齢別では、50歳代の163人と40歳代の115人で、全体の7割以上を占めた。心の病気とは異なり、中高年層で働き過ぎが目立つ結果となった。
厚労省では「職場環境が厳しくなっていることを反映した結果。企業に対する指導や監督を強化していきたい」としている。
|