仕事上のストレスが原因の過労による自殺で2007年度に労災認定された人は、前年度比22.7%増で過去最多の81人だったことが23日、厚生労働省のまとめで分かった。長時間労働で発症する脳や心臓の病気による過労死の労災認定も依然高い水準。労働環境が改善せず、心身ともに疲弊している実態が浮き彫りになった。
同省によると、07年度にうつ病などの精神疾患で労災請求した人は前年度比16.2%増の952人、認定は同30.7%増の268人で、ともに4年前の2倍以上となり、過去最多だった。業種別では製造業(59人)がトップで、卸売・小売業(41人)や建設業(33人)、医療福祉業(26人)などが目立った。
268人のうち自殺(未遂含む)で労災認定を受けた人は81人(未遂3人)。40代22人、30代21人で、働き盛りの年代が過半数を占めた。
同省は今回、精神疾患で労災認定された人の時間外労働時間を初めて調査。81人のうち、1カ月の平均は100時間以上120時間未満が20人、80〜100時間が11人などだったが、40時間未満も12人おり、労働時間が比較的短くても過労自殺の危険があることが裏付けられた。
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