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善光寺本堂、落書き除去 元の姿に

5月22日(木)

落書きを消す作業が始まった善光寺本堂=22日午前10時10分

 北京五輪聖火リレーの出発地点を辞退した後、落書きが見つかった長野市の国宝、善光寺本堂で22日、修復作業が行われた。文化庁の指導に基づき、作業員がはけやタオルで丁寧に拭き取ると、線や楕円(だえん)の書かれた板戸や柱が、約1カ月ぶりに元の姿に戻っていった。

 作業は同寺山門を修復した同市の北野建設が担当。作業員1人が、スプレー状の白い塗料で落書きされた6カ所に1つずつ着手した。塗料を浮き上がらせる溶剤を塗り、水を含ませたはけや渇いたタオルでそっとふき取る作業を繰り返した。作業は同日中に終える予定という。

 落書きは、善光寺が出発地点辞退を表明した2日後の4月20日早朝、職員が見つけた。以来、警備員による24時間態勢の警戒が続く。若麻績享則庶務部長(46)は「昼も夜も参拝する人の気持ちに配慮しながら国宝を守る方法を考えたい」と話し、防犯カメラの設置も検討していくとした。