北京五輪聖火リレーの出発地点を辞退した後に落書きが見つかった国宝の善光寺本堂(長野市)で23日午前、修復作業が終わった。寺事務局は「落書きされた柱や板戸の表面を傷めず、落書き前に戻すことができた」と、ほっとした様子だった。
作業は22日に開始。北野建設(長野市)の作業員1人が、柱や板戸計6カ所に付いたスプレー状の白い塗料を溶剤で浮き上がらせ、ふき取る作業を慎重に繰り返し、5カ所を修復した。23日午前は、朱色の板戸にあった1カ所の落書きについて、表面の色が溶剤で落ちないことを文化庁にあらためて確認し、前日と同じ手順で取り除いた。昼すぎには表面に付いた水分が乾き、ほぼ元通りになった。
落書きは善光寺が出発点を辞退して2日後、聖火リレー6日前の4月20日朝に発見され、善光寺と文化庁が修復方法などを検討してきた。犯人は分かっていない。