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社会

2012年目標、「宇宙太陽光発電衛星」打ち上げ 

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2012年までの打ち上げを目指す太陽光発電衛星のイメージ図(賀谷信幸教授提供)

 宇宙空間で太陽光発電した電気を電波に換えて地上に送る、世界初の「宇宙太陽光発電衛星(SPS)」の二〇一二年までの打ち上げを目指し、神戸大を中心とした日欧六大学の共同開発チームがこのほど結成された。SPSは、時間帯や天候にかかわらず電気を安定供給でき、化石燃料のように枯渇する心配がないため、各国が注目しているが、巨大な太陽電池パネルの打ち上げ費用が壁となり実現していない。開発チームは、小さく畳んだネットを広げる方法で、大幅な経費削減を図る。(霍見真一郎)

 開発チームは神戸大、東京大と、スウェーデンの王立工科大▽英国のグラスゴー大▽イタリアのミラノ大▽オーストリアのウィーン工科大。二月末にオランダで集まり、神戸大大学院工学研究科の賀谷(かや)信幸教授(58)を代表に、日本での観測ロケット実験も申請した。

 神戸大によると、開発チームの計画では、打ち上げた小衛星が、直径五百メートル規模のネットを「投網」のように広げ、後で打ち上げた数メートル四方の太陽電池パネルを載せたロボット数十個を動かし、網の上に並べる。送電電力は約百キロワットとわずかだが、実現に大きな意義があるという。

 SPSは米国の学者が一九六八年に発表後、オイルショックで米航空宇宙局(NASA)などが研究を本格化。幅五キロメートル、長さ十キロメートルのパネル案も出たが、費用や技術面で課題も多く、実現していない。

 日本では送電に電波(マイクロ波)とレーザーを使う二つの研究の流れがある。マイクロ波研究では、一九八三年に京都大と神戸大が、宇宙空間で無線送電する世界初の実験を実施。二〇〇六年には神戸大と東京大などが宇宙から地上のアンテナへの送電や一辺十四メートルの三角形の網を宇宙で広げ、太陽電池パネルを搭載予定のロボットを網の上で動かす実験にも成功。今計画につながった。

宇宙太陽光発電衛星 米国のピーター・グレーザー博士が1968年に素案を発表。24時間日照がある静止軌道上などに太陽電池パネルを設置して発電し、電波やレーザーに変換して地上に送る。昨年、米国防総省の研究グループが、10年以内の1万キロワット級の実証衛星打ち上げを提案したが、事業費は1兆円余りとみられている。

(5/22 09:46)

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