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消えた街、再建せず震災刻む公園に 四川

2008年05月23日18時00分

 【北川(中国四川省)=阿久津篤史】中国・四川大地震で壊滅的な被害を受け、日本の国際援助隊も救助活動をした四川省北川県中心部について、同県は再建を断念し、代わりに震災を記念する公園を建設することを決めた。記念碑も建てる予定で、日本の援助についても記されるという。

 県建設局の王玉良局長は朝日新聞の取材に、「友好の証しとして、日本の国際援助隊が来てくれたことも記したい。町はなくなるが、日本の援助隊が危険を顧みず助けてくれたことを私たちは永遠に忘れない」と話している。

 新華社通信によると、県政府などのあった中心部は建物の7割が倒壊または損壊し、人口約1万3千人のうち8600人が死亡した。日本の援助隊が18、19日に活動したが、生存者を見つけることはできなかった。

 県は20日から防疫関係者以外の同地区立ち入りを禁止。王局長は「人が再び住むことはもうできない」と言う。

 県では政府機能を移転する予定で、安全性を検討、住民の意見も参考に、2カ所の候補地から移転先を選ぶ。新しい中心部が完成するには早くても4、5年かかるという。

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