道路を問う
道路建設と巨額財源、そのあるべき姿を考える
【社会】テレ朝、映像無断使用 北朝鮮撮影 別番組で14回2008年5月22日 朝刊 テレビ朝日(東京都港区)が、日本人の男性旅行者が北朝鮮で撮影し、同局に提供した映像を、当初の約束以外の別の番組で無断使用し、賠償金としてこの男性に百万円を支払っていたことが関係者の話で二十一日、分かった。無断使用は少なくとも十四回あったという。 (外報部・五味洋治) この男性は個人的に北朝鮮を年に数回訪問し、現地で撮影した北朝鮮の北東部の町や、北朝鮮に滞在中のよど号ハイジャック犯、覚せい剤の取引現場などのビデオ映像を同局の求めに応じ素材として提供してきた。昨年、複数の番組で映像が無断使用されていることが分かり、抗議した。 映像の使用契約は口頭で行われ一回限りが原則。再使用する場合は事前協議のうえ、番組の録画テープを渡すことが通例という。 男性側は同局側に対して、二〇〇四−〇七年に、看板報道番組の「報道ステーション」や「スーパーJチャンネル」で十四回の無断使用があったと指摘。同局側はその一部を認めた上で、報道局長名で男性に謝罪した。 男性はさらに、番組内での無断使用の事実公表、慰謝料の支払いなどを請求し、昨年秋から局側と交渉を続けたが、対応を不満として東京簡裁に調停を申し立て、先月十八日に調停が成立した。 調停文には、テレビ朝日側が解決金の名目で百万円を男性に支払うことと、「本件について遺憾の意を表し、謝罪する」との文言が盛り込まれ、無断使用を事実上認めた形。男性は「視聴率競争の中で素材提供者を無視し、著作権と著作者の人格権を侵害したテレビ朝日の対応には驚いた」と話している。 著作権は慎重に服部孝章・立教大学社会学部教授(メディア論)の話 日本のテレビ局は、自局で持っている映像はすべてコピー自由という思い違いがあるのではないか。これが芸能人の映像なら使用料が発生するわけで、こんなに安易には扱えないはずだ。ニュース番組だからと言って道義的に許されない。外部提供者の著作権について慎重であるべきだ。
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