北海道ウタリ協会は22日、アイヌ民族の先住権確立に関する請願書を衆参両院に提出した。請願では(1)先住民族として認定(2)権利を審議する有識者懇談会を官邸に設置(3)社会的・経済的地位向上のため法的措置による総合的な施策の確立--を求めている。(2)について政府高官は22日、「国会決議が採択されれば設置する」と述べ前向きな意向を示した。(19面に関連記事)
請願に先立ち、東京・日比谷公園で行われた集会には約230人(主催者発表)が参加。加藤忠理事長が「絶対に先住民になるんだという思いで東京に来ている。(国が)アイヌの生命をきちんと受け止めてくれると願っている」とあいさつ。国会までの約1・5キロをデモ行進し、「差別撤廃と人権擁護を強化せよ」などとシュプレヒコールを挙げた。
加藤理事長らはまた、超党派の議員連盟「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」世話人の国会議員とともに、首相官邸で町村信孝官房長官と面会。効果的な施策の確立などを求める要望書を提出した。加藤理事長らによると、町村官房長官は「しっかりやります」と答えたという。
「議員の会」は有識者懇談会の設置のほか、先住民族認定などを求める決議の今国会提出を目指している。政府高官は先住民族認定については「(有識者懇談会で)議論するということだ」と述べた。【高山純二】
毎日新聞 2008年5月23日 1時12分