【ニューデリー栗田慎一、成都(中国四川省)浦松丈二】中国・四川大地震で、インドのチベット亡命政府は21日、全世界のチベット人に独立などを求め中国大使館前で行っているデモを当面中止するよう呼びかけた。多数の被災者がいる中で抗議を続ければ、逆にチベット人への反感を招きかねないとの判断とみられる。一方、チベット仏教界トップで亡命中のダライ・ラマ14世側と、ナンバー2として中国政府が認定したパンチェン・ラマ11世側が、インドと中国でそれぞれ犠牲者の追悼法要を営んでいる。
これまでダライ・ラマは暴力的な抗議活動はやめるよう繰り返し求めてきた。21日に出した声明で亡命政府は「中国を襲った未曽有の災害の被災者に連帯を示すため、大使館前のデモを少なくとも今月末までは見合わせるべきだ」とした。
一方、中国メディアは21日、パンチェン・ラマが同日、北京のチベット仏教寺院で行った法要の模様を伝えた。
毎日新聞 2008年5月23日 東京朝刊