日本の地震雲博士 四川大地震も的中させていた
2008年5月23日(金)10時0分配信 日刊ゲンダイ
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●「緊急地震速報よりは役立つ」
中国地震局が18日、四川省の地震の規模をマグニチュード7.8から8.0に修正した。95年の阪神大震災の30倍という凄まじいパワーにあらためて驚くが、この大地震を事前に予知していた研究者がいた。北陸地震雲予知研究観測所(石川県小松市)の上出孝之所長(71)だ。
上出氏は27年間にわたって地震発生と地震雲との相関関係を研究。地震雲は地殻の衝突で発生した大気イオンが原因で出来るとされ、地震発生の2週間ぐらい前から確認できるケースもあるという。上出氏はこれまでの研究から、地震雲の形や長さから8種類に分類。蓄積したデータや経験則を基に、地震の発生時期や場所、規模を予知するという。上出氏が言う。
「今回は11日午後3時すぎ、西南西から東北東に延びる地震雲を確認しました。帯状型で、たくさんの小さな雲が寄り添うタイプ。これは大規模地震の発生前に見られる形で、マグニチュードは8.0規模と予想。場所は中国と判断しました。確率の問題ですが、(気象庁の)緊急地震速報よりは役立つと思います」
上出氏は、十勝沖地震(03年、M8.0)、スマトラ沖地震(04年、M9.3)などの予知も的中させている。最近ささやかれる関東周辺での大地震は起きるのか。
「4〜5日以内に、東京や千葉などの関東圏でマグニチュード4〜5規模の地震が起きると見ています」
備えあれば憂いナシ。事前の心構えが必要だ。
【2008年5月20日掲載】