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【静岡】

浜松の飲酒強要ホスト死亡事件 全国初、傷害致死容疑で逮捕へ

2008年5月23日

 浜松市中区のホストクラブで7日、男性従業員(25)が急性アルコール中毒で死亡した事件があり、浜松中央署などは大量の飲酒を強要したのが原因として傷害致死の疑いで、市内の別のホストクラブ経営者の男(30)を逮捕する方針を固めた。関係者によると、飲酒強要をめぐり傷害致死容疑で逮捕されれば全国初になるという。

 調べでは、経営者の男は5月7日未明、接客した同店の男性従業員に飲酒を強要。約20分で1・4リットルの焼酎を飲ませ、急性アルコール中毒による脳障害で死亡させた疑いがもたれている。

 自分の店の従業員と計7人で客を装って入店し、被害者を取り囲んで「うちの従業員がけいれんするまで飲ませたな。早く飲め。けいれんするまで飲ませてやる。おれの顔に泥を塗った。つぶしてやる。覚悟しろ」などと脅迫したという。

 男の店と事件があった店との間でトラブルがあり、男の店の従業員が以前、自分の店で一気飲みをさせられていた仕返しをする目的だったらしい。

 同署は(1)男が仲間と取り囲むなどして飲酒を断れない状況に追い込んだ(2)相手に危害を加えようとして短時間で大量の酒を飲ませた−などの点で、傷害致死容疑に問えると判断した。

 アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)によると、飲酒の強要をめぐる刑事責任の追及では、傷害致死の疑いでいったん調べられた場合でも、書類送検で終わるケースが大半。そのほとんどが嫌疑不十分で不起訴処分になっている。

 1996年に大同工大(名古屋市)の男子学生がコンパで日本酒などを大量に一気飲みして死亡した事件でも、愛知県警は同席者約30人を傷害致死容疑で書類送検したが、不起訴処分になった。

 

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