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法律用語 2001年2月 6日 更新
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懲役2年執行猶予3年。なんて、よく新聞などに載っていますよね。執行猶予(刑法25条)がつくと何かトク!というイメージがありますが、執行猶予ってどういう扱いを受けることなのかご存知ですか。
「執行が猶予されて3年先になるっていうことじゃないの? それで、その後、懲役2年ということで、刑務所に入るんでしょ?」などと思っている方はおられませんか。
例えば、懲役2年の場合、実刑判決ということで、すぐ刑務所へ、ということになります。
ところが、懲役2年執行猶予3年ということになると、ただ単に3年間執行が猶予されるだけでなく、この間に他の刑事事件を起こさずにすめば、そもそも懲役2年という刑の言渡し自体がなかったことになるのです。
つまり、平穏無事に暮らしていれば、全く何のおとがめも受けずに済むというわけ。
「え~っ! それって、あまりにもトクしすぎてない?」と思う方も多いはず。
もっとも、うんと重い死刑(刑法11条)とか、逆に、非常に軽い拘留(刑法16条)・科料(刑法17条)といった刑の場合は、執行猶予はつきません。
また、執行猶予がつく場合としては、以前に禁固(刑法13条)以上の刑を受けたことがない者が、3年以下の懲役(刑法12条)・禁固、50万円以下の罰金にあたる罪を犯したとき、などに限定されているのです。
したがって、執行猶予つきの判決になる場合は、そう多いわけではないのです。
例えば、殺人事件の場合、執行猶予がつくのは、全体の2割程度です。
とはいえ、人を殺しても刑務所に行かないで済む可能性のある場合が2割もあるというのはちょっと驚きですよね。
おそらく、よほど、同情の余地ある殺人の場合なのだとは思いますが…。
集計期間: 2008年5月11日-5月17日