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【富山】

1型糖尿病 患者同士がサマーキャンプ 闘病 1人じゃないよ

2008年5月22日

昨年のキャンプで注射の方法を学ぶ患者の親たち=岐阜県高山市で(提供写真)

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高山で8月開催

主催者『多くの子ら参加を』

 小児期に発症することが多い1型糖尿病の患者や家族が、自然体験を通じて、病気の知識と患者同士の交流を深めるサマーキャンプが八月一日から三日間、岐阜県高山市の乗鞍青少年交流の家で開かれる。主催者の日本糖尿病協会県支部の「富山小児・ヤング糖尿病委員会」では参加者を募っている。 (稲田雅文)

 県内では中学生以下の患者が八十〜百人ほどいるとみられるが、キャンプ参加者は例年二十人程度。患者数が少なく情報交換の機会も限られるだけに、同委員会は「より多くの患者の参加を」と呼び掛けている。

 1型糖尿病は自己免疫やウイルス感染で起こるとみられ、生活習慣病の2型糖尿病とは原因が異なる。インスリン分泌機能が失われるため、生涯にわたり一日数回のインスリン注射が必要となる。自分で血糖値を測定し、必要量を注射すれば健常者と変わらない生活が送れる。

 サマーキャンプは毎年開いており、十六回目。ゲームやスポーツ、プールでの活動に取り組みながら、食事と運動、インスリン注射量のバランスに慣れ、低すぎると意識を失うこともある血糖値のコントロールを身に付ける。

 患者や家族向けの勉強会、キャンプファイアーなどで参加者同士の交流や情報交換も図る。注射を怖がっていた子どもが、ほかの子どもがするのを見て自分でできるようになるなど、キャンプを通じて前向きに病気とつきあえるようになる人も多いという。

 同委員会は病院などを通じ参加を呼び掛けているが、子どもの患者の参加は県内全体の二割程度。事務局の藤田由紀江さんは「参加していない子どもたちがどう生活しているか心配。少しでも参加者を増やしたい」と話す。申し込みは六月四日まで。問い合わせは、同委員会(黒部市民病院地域医療保健室内)=電話0765(56)7231=へ。 

 

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