福岡大学病院(福岡市城南区、内藤正俊院長)は22日、1‐83歳の入院患者の男女15人からバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を検出したと発表した。うち2人はがんで死亡したが、他の13人を含めてVREによる感染症は起こしておらず「VRE感染が死因ではない」としている。院内感染とみて感染経路などを調べている。
病院によると、2007年10月16日、抗がん剤治療中で下痢を起こした男性患者(72)の便からVREを検出し、今年3月21日までに計4つの病棟の入院患者から菌を検出した。
ほかにも、VREに感染していない患者7人の検体から微量のVREを検出。病院は職員の手などを介して感染した可能性があるとみている。
VREは免疫力が低下していると肺炎や敗血症を発症し、重症の場合は死に至ることもある。
=2008/05/22付 西日本新聞夕刊=