2008年5月22日 19時39分更新
明日香村の高松塚古墳で国宝の壁画を修復するために去年行われた石室の解体について、日本考古学協会がアンケート調査を行ったところ、考古学の専門家などの半数以上が「解体は古墳の破壊だ」と考えていることがわかりました。
この調査は、日本考古学協会が去年10月に開いた大会の参加者を中心に行ったもので、考古学の専門家など77人から回答がありました。
高松塚古墳の石室の解体をどう思うかを聞いたところ、全体の57%にあたる44人が「古墳の破壊だ」と答え、中には「その場にあるべきものを『解体』という名を使って破壊したもので、20世紀の失敗の教訓として現地に古墳を残すべきだった」という意見もあったということです。
また文化庁が壁画を修復後現地に戻す方針を示していることについては、「保存が万全なら戻すべきだ」という意見があった一方で、「現実的に考えて無理だ」という指摘が多数を占めたということです。
さらに壁画の公開方法ついては、「古墳とは別の施設で保存し公開すべきだ」という意見が目立ったということです。
調査を行った日本考古学協会の菅谷文則さんは、「今回の調査結果を高松塚古墳とキトラ古墳に続く第3の壁画古墳が見つかった場合など今後の文化財保護に役立ててほしい」と話しています。