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南京虐殺本訴訟:名誉棄損、2審も賠償認める 出版元側が敗訴

 南京虐殺(1937年)の生存者、夏淑琴さん(79)が書籍で「偽の被害者」と指摘されたとして、著者らに1500万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が21日、東京高裁であった。柳田幸三裁判長は著者の東中野修道・亜細亜大教授と出版元の展転社(東京都)に400万円の支払いを命じた1審・東京地裁判決(07年11月)を支持し、双方の控訴を棄却した。

 夏さんは、米国人牧師が南京の状況を記録した資料に「8歳の少女」として登場し、戦後は証言活動を続けている。東中野教授は98年出版の「『南京虐殺』の徹底検証」に「『8歳の少女』は夏さんとは別人。夏さんは事実を語るべきだ」と記していた。柳田裁判長は「指摘が真実との証明はなく、夏さんの名誉感情を著しく侵害した」と判断した。

 展転社は「不当判決だ。上告の方向で検討している」とコメントした。夏さんは「今日の勝訴は大変感動しました。被告が上告した場合、最後まで闘う」と話している。【銭場裕司】

毎日新聞 2008年5月22日 東京朝刊

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