サイクロン「ナルギス」の直撃被害を受けたミャンマーで、11日から現地で診療活動をしている国際医療援助団体「AMDA」(本部・岡山市)が、11日~17日まで1週間の活動状況をまとめた。患者は女性が全体の7割近くを占め、精神的な衰弱が目立っているという。
AMDA本部によると、支援活動は5日から始めた。現在、医療チームはヤンゴン市から南に約70キロ離れた、クンジャンゴン市の被災地に入り、11日から同市内6カ所で現地保健当局とともに活動している。チームはミャンマー人スタッフ10人で構成、被災を免れた僧院や家屋を拠点にして活動している。
期間中、計1257人の患者の診療にあたり、女性が全体の67%に達し、40代が最も多い。不安などによる心的外傷も多数報告されているという。巡回診療中、生後12日の新生児が極度の栄養失調状態で見つかり、ヤンゴン市の病院へ救急搬送したケースもあった。
被害発生から2週間が過ぎ、今後はマラリア、コレラなどの感染症による2次被災の恐れがあるという。【石戸諭】
毎日新聞 2008年5月22日 地方版