「ニュースを斬る」のトップへ

ニュースを斬る

構造改革9割完了、船井との提携も加速

日本ビクター・佐藤社長が明かす国内テレビ“撤退”の舞台裏

問 海外での協業をどう進めていくのか。

 「米国ではケンウッドが専門店中心で、ビクターは量販店に強い。両社の販売店政策は維持し、共有していきたい。カーエレクトロニクスの分野では新興国市場が有望だ。アジアや南米ではコスト競争力のある製品が必要になる。お互いに技術を出し合って、エントリーモデルを開発していく。共同調達に加え、コスト競争力がある工場を活用する必要もある。既にケンウッドのカーオーディオをビクターのインドネシア工場で生産することも始めている」

問 ビクターは液晶テレビの開発・生産で、船井電機との提携にも踏み切った。

 「当社のメキシコ工場で船井の米国向け製品を生産する一方、船井のポーランド工場では当社の欧州向け製品を作ってもらう。船井は蘭フィリップスの北米テレビ事業のブランドライセンスを受けることが決まったが、ビクターと船井の液晶テレビ共同開発の枠組みの中で、ハイエンドクラスのフィリップスブランド製品を対象にすることも検討している。来年度以降の話だが、当社のメキシコ工場でフィリップスブランドを生産することも、船井と話し合っている。国内のテレビ事業は大幅に縮小するが、船井との業務提携もあり、テレビの技術者はむしろ足りないぐらいだ」

問 近年、ビクターはリストラを繰り返してきたが、業績の低迷から脱せなかった。構造改革はこれで打ち止めなのか。

 「構造改革は90%完了した。国内のテレビ事業の赤字がなくなることから、2010年3月期には全事業を黒字にする目標を打ち出している。かつてはリストラをしても成長事業が育っていなかったが、これからは違う。当社の方向性が今回はっきりしたので、社員はモチベーションをしっかり維持してくれていると思う」

日本ビクターの構造改革と営業損益の推移

Back
2
Feedback
このコラムについて

ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、NBonline編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。

⇒ 記事一覧

Today's NBonline
  • 読者の注目記事
  • ヒット記事
  • 本日の主要記事
BusinessTrend
  • 経営とIT
  • 企業戦略
  • ライフ・投資
  • 仕事術

「経営とIT」分野をお読みのあなたへ!

「企業戦略」分野のおすすめ情報

「ライフ・投資」分野のおすすめ情報

「仕事術」分野のおすすめ情報

BusinessTrend