神戸で遺族ら意見交換 学校事件事故を語る会

2005/06/06


学校での事件や事故をめぐって、遺族らが意見交換した=神戸市中央区下山手通5、パレス神戸

 学校での事件や事故で子どもを亡くした遺族らでつくる「全国学校事件事故を語る会」(内海千春・代表世話人)の第三回全国交流会が四、五日の両日、神戸市中央区で開かれた。遺族や弁護士らが、立ち直りのきっかけとなった有効な支援や相談窓口の必要性などを指摘した。

 五日の「わが子の命と向き合って」と題したパネル討論で、一九九七年夏に同級生らの集団暴行で長男=当時(15)=を亡くした女性は「息子の死を受け入れるのと残された家族の世話で、精神的にも肉体的にも疲れ果てた」と振り返った。自分や家族を責めた経験から「抱え込んだ気持ちを打ち明け、相談できる窓口が必要」と訴えた。

 「教育現場は、学校の日常の危険性や問題を把握し、教訓とすることが少ないのでは」と問題提起したのは、「川西市子どもの人権オンブズパーソン」を務めた京都精華大講師の住友剛さん。明石の歩道橋事故遺族で原告団長の下村誠治さんは「単なる犯人探しでなく、それが自分が生きていくためのスタートとなる」と事件や事故の原因究明の重要性を強調した。

 長崎県から参加した女性(43)は、中学二年の二男が昨年三月、学校で飛び降り自殺した経緯を報告。「こうした会を知らずに孤立した人がたくさんいるはず」と話し、情報発信や交流の拡大を要望した。


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