平気で落書きをする人間の気が知れない。岡山県内で、公共施設や民家などへの落書き被害が後を絶たないとの記事が、先日載った。
岡山市平井地区では昨年夏から被害が相次いだ。冬の間はやや収まっていたものの、春になると再び以前と似た落書きが目立ち始めたという。暖かくなって、犯人が再び動き始めたと住民らはみている。
町内会ではホームページで被害状況を公開し、住民に注意を呼び掛けている。建物だけでなく、今年二月下旬には同市田中で、市道の路面に男の顔やアルファベットなどが描かれているのが見つかった。
岡山県は二〇〇二年、全国で初めて罰則規定を盛り込んだ落書き禁止条例を施行した。県内各地で町内会などが一斉消去活動を行っているが、せっかく消しても上からまた落書きされるという。いたちごっこが繰り返されている。
後始末の苦労が、落書きの主に分かるだろうか。近所で民家の塀が落書きされたとき、苦労して上塗りしたのだが、結局は跡が残った。目に入るたびに怒りが込み上げてくる。
落書き根絶へ、一段と機運を盛り上げなければならない。県は〇七年度から町内会などに落書き消しの器材交付を始め、県警も器物損壊容疑を視野に入れた巡回を強化している。犯人を捕らえることが何よりの薬だ。