出産時「監視など怠る」 福島県立医大に賠償命令

 出産時の医師らのずさんな対応で次女が脳性まひになり、4歳9カ月で死亡したとして、福島市の法科大学院研究生幕田智広さん(42)と妻の美江さん(41)が福島県立医大に1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁は20日、医大に約7300万円の支払いを命じた。

 森高重久裁判長は「病院側は自然分娩(ぶんべん)の経過を十分に監視せず、緊急の帝王切開手術の備えも怠った」と医大病院側の注意義務違反を認定。「いずれかの注意義務が果たされていれば、新生児が仮死状態で生まれ脳性まひで死亡することは避けられた可能性が高い」として、死亡との因果関係を認めた。

 幕田さん夫妻は判決後に記者会見し、「病院側は反省せず、行為を正当化し続けた。判決を受け止め、二度と同じことを起こさないでほしい」と話した。県立医大病院は「判決文を見て今後の対応を検討する」とのコメントを出した。
 判決によると、美江さんは1995年5月、医大病院で自然分娩で次女を出産中に、子宮が破裂。医師は帝王切開に切り替えたが、その準備を怠り、開始に手間取るなどしたため、次女は仮死状態で生まれ、重度の脳性まひになった。
2008年05月21日水曜日

福島

社会



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