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医療チーム 活動始められず
【成都(中国四川省)=福島香織】中国・四川大地震の被災者に対する医療を行うために20日夜から四川省の省都、成都入りしていた日本の国際緊急援助隊医療チーム(団長、田尻和宏外務省アジア大洋州局中国課地域調整官)は21日、事前の打ち合わせ不足により医療活動を開始できなかった。感染症の危険が高まっている被災地ではなく、市内の病院の外科手術を手伝ってほしいという現地の要望と、被災地で緊急医療を行うつもりだった日本側の意向がかみ合わなかったためで、この日は病院の視察と調整の会議に費やされた。
中国側が指定した活動場所は市内の総合病院、第1人民病院。顧興平院長が、病院を視察した医療チームに説明したところによると、被災地の重傷患者ら345人を受け入れ、うち225人が入院。手術医が足りず20人以上の骨折患者らがまだ手術を受けておらず、同院長は「これら患者が一刻も早く手術を受けられるよう手伝ってほしい」と要請した。
一方、田尻団長によると、日本側は被災現場でテントを張って緊急医療を行うことを想定し、簡易レントゲンや簡単な外科手術設備を準備。その特性を生かすためにも「被災地に近い現場に入りたい」という。
【北京=川越一】中国国務院(政府)は「全国哀悼日」最終日の21日、四川大地震による死者が前日から約1300人増加し、4万1353人に達したと発表した。