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話題:公共広告機構/骨髄バンク支援などCM打ち切りへ/経産省指導「公平性欠く」

夏目雅子さんを起用した骨髄バンク支援キャンペーンの広告(サン・アド提供)
夏目雅子さんを起用した骨髄バンク支援キャンペーンの広告(サン・アド提供)

 急性骨髄性白血病で亡くなった女優、夏目雅子さんや歌手の本田美奈子さんらを起用して話題を集めた公共広告機構(AC)の骨髄バンク支援キャンペーンCM・広告が6月いっぱいで終わる。広告は93年から続くが「同一団体への長期支援は公平性を欠く」とACが規則を変えたため。骨髄移植推進財団(東京)などはこれまでの支援に感謝する一方、新たなPR活動を模索している。【阿部周一】

 他に終わるのは▽子供ワクチン(94年~)▽臓器移植(99年~)▽読書推進(00年~)▽自閉症協会(06年~)--の各CM・広告。制作費は各団体負担だが、放映・掲載枠はACの会員企業が無料で提供している。

 骨髄バンクのキャンペーン広告は同財団がドナー登録を受け付け始めた翌93年に始まった。白血病に倒れたK1元王者のアンディ・フグさん(00年)や夏目雅子さん(03年)、本田美奈子さん(06年)らを起用し、テレビや新聞などでドナー登録を呼び掛けた。効果は大きく、93年に3万人弱だった登録者数は今年1月、財団の当初目標30万人に達した。

 一方でACは05年、所管する経済産業省から「同じ団体の広告が続くのは公平性を欠く」と指導を受け、「支援キャンペーン実施諸規則」を変更。支援期間を「原則2年間。2年ごとに見直し」と定めた。07年度(07年7月~08年6月)に展開した九つのキャンペーンのうち五つの打ち切りが決まった。ACの高島邁常務理事は「他にも支援を待つ申請団体が多数ある。2年後の見直しで再び支援が可能かどうか検討したい」としている。

 骨髄移植推進財団は「広告のおかげで認知度が上がった」と感謝しながら、「30万人という数字は何もしなければ高齢化や病気で自然と減る」と話す。各地のボランティア団体でつくるNPO「全国骨髄バンク推進連絡協議会」の菅早苗事務局長も「移植を受けられる人は希望者の6割に満たないのが現実。個々の企業などに協力を呼び掛けて回る地道な草の根活動を続けるしかない」と困惑する。

 ACによると、7月に始まる新キャンペーンは、国境なき医師団▽結核予防会▽3R推進団体連絡会▽日本心臓財団▽こども未来財団--に決まり、現在CM・広告を制作中という。

2008年5月21日

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