チベット問題に対し、天台宗書写山円教寺(姫路市)の大樹玄承執事長が「宗教者としての声明文」を発表したことに、全国から多くの賛同の声が届いた。大樹執事長は「チベットの現状に憂慮する人々の声を無視してはならない」と話している。
声明文で大樹執事長は「宗教者、仏教者として、チベット人の苦しみを黙って見過ごすことはできない。ダライ・ラマ法王を中心に仏教国として歴史を重ねてきたチベットがなくなろうとしている今、私たち仏教者は草の根から声を挙げていかねばならない」と訴えた。
この声明文が発表されると、同寺にはメールやはがきなどが300通近く届いた。そのほとんどが賛同する意見だという。中にはカナダやオーストリアなどからのメッセージもあり、「政治的理由での宗教弾圧は許されない」「勇気ある行動に感動した」などの内容が書かれていた。
大樹執事長は「日本の坊さんに何とかしてほしいという思いが感じられた。読んでいて、胸が熱くなった。チベットの現状に憂慮する人たちの思いを、仏教者として見放すことはできない」と話す。
そのうえで「中国が日本仏教界にとって良き友人であるなら、ただすべきところはただすべきだ」とし、天台宗が8月に比叡山延暦寺で行う「平和の祈りの集い」でも、チベット問題へのメッセージが発せられれば、と期待している。
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