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【ゆうゆうLife】医療 早く、切れ目なく 成功する脳卒中リハビリ(下) (3/3ページ)

2008.5.21 08:39
このニュースのトピックス病気・医療
リハビリ機材が搬入され、稼働具合をたしかめるスタッフたち=西横浜国際総合病院リハビリ機材が搬入され、稼働具合をたしかめるスタッフたち=西横浜国際総合病院

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 こうした“アメ”的施策の一方で、厚労省は「質」を担保するため、回復期リハビリ病棟について(1)重症患者が入院患者の15%以上(2)退院した患者の在宅復帰率が60%以上−の条件を設定。満たさない場合は診療報酬をこれまでより85点引き下げる“成果主義”を打ち出した。

 だが、成果主義の導入に懸念を示す医師も少なくない。大阪府にある総合病院の男性院長もその1人。「脳卒中は同じ重症でも、患者の年齢などによって回復度合いが違う。診療報酬に差をつければ、高齢患者を受け入れない医療機関が出かねない」と警鐘を鳴らす。

 この病院は数年前、地域で初の回復期リハビリ病棟を開設した。国の施策で保有する療養病床の転換を余儀なくされたためだ。地域は高齢化が進み、リハビリを受ける患者は高齢者が多い。「必死にリハビリしても、重症の高齢者を在宅復帰させるのは難しい。それは医療の質とは別の問題」(院長)と強調する。質を重視することには反対ではないが、診療報酬上のペナルティーを持ち込むのは疑問が残るという。

 「成果を抜きにして患者を治すことだけを考えるのが本来の医療。成果が影響すると、医療のあり方がゆがみかねない」。質の評価は厚労省への成果報告などで行われるべきだと主張している。

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リハビリ機材が搬入され、稼働具合をたしかめるスタッフたち=西横浜国際総合病院
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