中国・四川省の大地震では、中国の核施設が倒壊した可能性も出ています。軍の施設ではないか、という疑いも指摘されています。
21日、北京の新聞・新京報に衝撃的な記事が載りました。「(被災地で)民用放射性物質30個を回収」。
「きのう、記者が被災地の環境保護部の主任と連絡をとったところ、今回の大地震で32個の放射性物質ががれきに埋まっていたことがわかった」
「(未回収の)残りの2個は具体的な場所が判明しており、環境保護部はその周辺に安全な警戒線を敷いた。放射性物質の専門家が全力でがれきの取り除きを行っており、近日中に残りの放射性物質を安全な場所に移す予定だ」(新京報の記事)
今のところ放射能漏れなどはないと伝えられていますが、被災した核施設は四川省の綿陽市の郊外にあると見られています。
「(核施設は)民用もあるかもしれませんけど、ほとんどが軍用と言っていい。(核施設の存在が)中国当局の関係者から明らかになったという点では、やっぱりあったんだ、と」
「核弾頭を作っている(青海省にある)施設というのは(1987年に)閉鎖した、と。今度はどこだろう、ということで、間違いなくここだろう、とわかったのは四川省一帯。アメリカやソ連から遠いというだけではなくて、ミサイルで攻撃するにしても簡単ではない」
Q.耐震性について
「十分耐震を考えて作られているはずだが、想定外の地震だったと」(元防衛研究所研究室長、平松茂雄氏)
今回の大地震では発生当初から核施設への被害や放射能漏れなどが懸念されていました。しかし、人民解放軍の幹部は18日の会見で、強気にこう語っていました。
「皆さんが最も関心を持っているこの地域の核関連施設に関し、全部安全だと責任を持って言える。何の問題もない」(人民解放軍 総参謀部作戦部副部長)
中国当局が核施設の存在を認めるのも異例ですが、核施設に被害が出たことを公式に認めたのは極めて異例のことです。そのこと自体が、今回の地震の深刻さを物語っています。(21日17:55)