NHKが抱える年金積立不足額が2007年度末で約2700億円と06年度の2.4倍に膨らむ見込みとなった。現在の積立必要額を算定するための利率(割引率)を市場実勢に合わせて引き下げた結果、不足額が大幅に増えた。現状では受信料収入にその穴埋めを頼らざるをえず、視聴者の理解を得るには給付額の引き下げなど年金制度自体の見直しを迫られる可能性がある。
NHKの福地茂雄会長は就任直後の今年2月、年金の積立不足額が千数百億円あることを明らかにし、これが受信料引き下げを困難にする理由の一つになっているとの見方を示していた。NHK経営委員会(委員長=古森重隆・富士フイルムホールディングス社長)の最近の会議で執行部は06年度末で1100億円だった積立不足額を「07年度末で約2700億円の見込み」と修正した。(12:35)