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四川大地震、巨大ダムの損壊進行…決壊の危機、雷雨の予報も

5月21日8時2分配信 スポーツ報知


 中国・四川大地震で新たに60万人の命が危機にさらされている。日本の救助隊が活動した四川省綿陽市北川県では、大規模水害の恐れから避難命令が出され20日、住民のほか救助隊も退去した。同省アバ・チベット族チャン族自治州ブン川県にある紫坪埔ダムでは、外壁の中心部が波打つなど損壊が進行。もし決壊すれば、下流の都江堰市が濁流にのみ込まれることは確実で、約60万人が危険に直面する。ダム上流では雷雨が予想され、現地は緊迫の度を増した。

 「こんなに大きな亀裂があるのに、安全な訳ないだろ」−。ダムの修理作業にあたっていた男性は、両手を大きく広げて亀裂の幅を示した。

 決壊の危険性がある紫坪埔ダムは、日本最大の徳山ダム(岐阜県)の2倍弱にあたる11億1200万立方メートルもの総貯水量がある巨大ダム。その堤頂部には幅50センチを超える亀裂が数十メートルにわたって走り、欄干はほとんどが倒壊。ダム内部の遮水壁を支えるため外側に敷き詰められた岩は、中心部で縦横10メートル以上にわたって波打つように崩れ、地震の破壊力のすさまじさを見せつけていた。

 このダムの約9キロ下流には、約60万人が住む都江堰市があり、決壊すれば市全体が濁流にのみこまれる。専門家は「ダムは構造的に安定していて安全」と強調するが、二次災害への不安はぬぐえない。

 四川省水利当局はダムの安全性確保のため、通常を大幅に超える放流を続行。ダムからは濁った大量の水が巨大な滝となり、水しぶきをあげて川に流れ落ちる。世界遺産にも登録されている下流の水利施設「都江堰」でも、危険水量に迫るほどの濁流が流れていた。

 中央気象台の予報では20日からの3日間、ダム上流は雷雨となる見通しで、現地の緊迫感は増している。さらに地震局は同日中に最大マグニチュード7級の余震が起きる可能性を警告した。

 援助隊が救援活動から撤退した錦陽市北川県では、大規模余震の恐れから避難命令が発令され、20日は住民のほか救助隊も退去。テントは無人となり救助作業のためのクレーン車などの重機も現場に放置され、街は静まり返った。これにより生き埋めとなっている数千人規模とみられる住民の生還の望みは絶たれた。

 ◆195時間ぶり女性救出 ○…新華社は20日、四川省成都市彭州の被災現場から女性が、195時間ぶりに救出されたと報じた。香港のフェニックス・テレビの報道として伝えた。女性は雨水を飲んで生き延び、救助隊に助け出された際、意識もしっかりしていたという。

最終更新:5月21日8時2分

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