シドニー(AP) オーストラリア政府のカンガルー駆除計画に抗議する先住民アボリジニの活動家8人が、政府の敷地に不法侵入した疑いで警察に逮捕された。カンガルーはアボリジニにとって神聖な存在とされている。
警察によると、首都キャンベラの軍跡地に侵入した疑いで男4人と女4人を逮捕した。21日に出廷し、不法侵入罪に問われる見通し。有罪になった場合、最大で1100豪ドル(約11万円)の罰金が科せられる。
オーストラリア政府はカンガルーが増え過ぎてトカゲや昆虫などほかの固有種を脅かしているとして、400頭を駆除する計画を打ち出した。国防省は先週、キャンベラ郊外の軍の敷地で駆除に着手すると発表。動物保護団体などが抗議していた。
ニューサウスウェールズ州の動物保護団体「アニマル・リベレーション」によると、当局は19日、キャンベラ郊外でカンガルー駆除に着手した。20−40頭が麻酔を打たれ、薬物注射で殺されたという。
活動家が逮捕された先住民団体のリーダー、パット・オーブライアン氏は、これ以上のカンガルー殺しの中止を求めて裁判所に差止請求を行う予定だと話している。