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四川地震 中国中央TVが“募金やらせ”映像を謝罪
このニュースのトピックス:メディア倫理
被災地からの生中継などで四川大地震の報道をリードしている中国中央テレビ(CCTV)が、震災に関連した北京五輪聖火リレーのニュースの中で“やらせ”を行っていたとして、視聴者の集中砲火を浴びた。CCTVは16日までにミスを認めて謝罪した。
視聴者らから指摘を受けたのは、地震発生の翌13日日に福建省で行われた聖火リレーで、3人の聖火ランナーが被災者支援のため募金をしている様子を映したシーン。募金箱に伸ばす3人の手にはお金が握られていなかったのだ。放送直後からCCTVには視聴者の問い合わせや抗議の電話が相次ぎ、ネット上でも“やらせ”を指摘する書き込みが多数寄せられた。
CCTVによると、3人が募金箱に義援金を投入した後、数人のカメラマンが再びお金を募金箱に入れるしぐさをしてほしいと依頼。地元の福建省広播影視集団のカメラマンもやり直しのシーンを撮影した。CCTVは、同集団から電送されてきた映像を入念にチェックせずに流してしまったという。
CCTVはほかにも、女性記者が被災地の現場リポートを捏造(ねつぞう)した疑いをもたれている。
これも地震発生の翌日だが、生徒900人が生き埋めになった都江堰(とこうえん)市の中学校倒壊現場での救出活動の様子を、なぜか約50キロ離れた成都のホテルからリポート。「救援活動は終わりに近づいている」という発言を、生存率が著しく低下する境界線は被災後72時間という“常識”を知る視聴者は聞き逃さなかった。インターネット上には、「職業道徳に欠ける」「辞めさせろ」といった辛辣(しんらつ)な書き込みがあふれた。
CCTVは“やらせ”について謝罪。同時に、偽善者扱いされた3人の聖火ランナーにもわびた。(北京 川越一)