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篠田プラズマ 新型ディスプレーを初公開
大画面ディスプレー開発のベンチャー企業、篠田プラズマ(神戸市中央区)は3日、プラズマチューブを使った超軽量ディスプレーの43型試作機を初公開。パネルの重さはわずか600グラムと現在のPDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)や液晶の10分の1程度という。大手電機メーカーによる次世代テレビの開発競争が本格化する中、ベンチャー発の新技術として脚光を浴びそうだ。
「プラズマテレビの生みの親」として知られる同社の篠田傳(つたえ)会長が、千葉市美浜区の幕張メッセで開催中の「CEATEC(シーテック) JAPAN」で講演し、試作機を披露した。
「プラズマチューブアレイ(PTA)」と呼ぶ新型ディスプレー。試作機の画面サイズは縦50センチ、横100センチ。蛍光体などを塗った直径1ミリ、長さ1メートルのガラス管を並べ、樹脂フィルム製の電極板でサンドイッチ状に挟んで映像を表示する仕組み。
発光原理はPDPと同じだが、従来のテレビでは基幹部品だったガラス基板を使わず、ガラス管の本数を増やすだけで大画面化や大幅な軽量化が実現できるという。43型はこのガラス管を500本並べた。
「PDPや液晶では難しかった、等身大の映像表現を楽しめる150型の超大型ディスプレーを製品化したい」と意気込んでおり、平成20年下期の出荷を目指す。最大で200台程度を生産する計画だ。
松下電器産業の103型プラズマテレビは重さが約345キロあるが、PTAは150型でも60キロ程度で、消費電力も半分以下。曲げることもでき、円筒形の建物の内壁に張り巡らせることも可能だ。