「死んだ断層」揺れた 主な活動は恐竜時代 四川大地震2008年05月21日13時35分 中国・四川大地震を起こしたとみられる竜門山断層帯は長期間めだった活動がなく、「死んだ断層」と考えられていたことが、中国の過去の地層調査や歴史文献の記載などからわかった。専門家は「活動度が低くても大地震が起こりうるわけで、日本でも注意が必要だ」と指摘している。
東京大の池田安隆准教授(変動地形学)が地震予知連絡会に報告した。 それによると、竜門山断層帯が主に活動したのは2億年前〜6500万年前までで、ちょうど恐竜がいた時代。それが1千万年前以降は活動が低調で、地震で断層がずれた量を年平均に換算した「活動度」は垂直方向に年1ミリ以下。竜門山断層帯の西側にあり、頻繁に大地震を起こしている鮮水河断層帯の年10〜20ミリと比べ、10分の1以下だ。 このため、専門家も「死んだ断層」と考え、注目していなかったという。 中国地震局によると、文献などから、鮮水河断層帯ではマグニチュード7以上の地震が頻繁に起こっていることがわかっているが、竜門山断層帯の地震についてはこうした記録はない。池田さんは「三国志の時代(3世紀)から人口が多い地域なので、大地震があれば何らかの記録に残っているはずだ」と指摘する。 日本の地震調査委員会が地震の発生確率や規模を調べているのは、約200万年前以降に活動した活断層。原子力発電所の設計で考慮する活断層も、12万〜13万年前以降に活動したものとされている。 地震予知連の大竹政和会長は「ショッキングなデータだ。日本も、活動度が低い活断層だからといって安心していいわけではない」と話す。(黒沢大陸) PR情報この記事の関連情報サイエンス
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