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韓国、8年ぶり純債務国に転落へ

 企画財政部は20日、韓国が通貨危機から脱却した2000年以降、8年ぶりに純債務国に転落する見通しとなったことを明らかにした。

 純債務国とは、政府や企業が外国に貸した対外債権より外国から借り入れた対外債務のほうが多い状況を指す。対外債務が増えたのは、銀行の為替先物取引と債券投資目的の1年未満の短期借り入れが急増したためで、現時点では危機的状況に陥る可能性は低いが、企画財政部は「管理が必要だ」としている。

 対外債権から対外債務を差し引いた純対外債権は2005年に1207億ドル(約12兆5000億円)に達したが、昨年末には348億ドル(約3兆6000億円)まで急減し、今年に入っても減少が続いている。このまま推移すれば、6月ごろには対外債務が対外債権を上回る状況となる見通しだ。

 企画財政部の崔重卿(チェ・ジュンギョン)第1次官は「当面は危険はなく、悪性の状態とはいえないが、(債務が)累積すれば悪性化することもある」として、対外債務の増加に歯止めをかけるための対策を模索していく考えを示した。

 信用格付け大手の米スタンダード&プアーズ(S&P)は昨年10月、韓国の金融機関による対外債務が増加しており、金融セクターの潜在的リスクが顕在化すれば、政府の財政負担が増大するマイナス要因になる」と指摘していた。

 韓国政府は銀行の短期対外債務に問題はないとの立場だが、国家信用度に悪影響を与える恐れがあり、特定金融機関に対外債務が集中した場合、国際金融市場の変動に伴い償還繰り延べができなくなるなどの問題が起きる可能性もある。

李陳錫(イ・ジンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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