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歌舞伎俳優・尾上菊之助(30)が、東京・渋谷Bunkamuraシアターコクーンで上演中の舞台「わが魂は輝く水なり 源平北越流誌」(蜷川幸雄演出、27日まで)で源平時代の武将の息子を好演している。父子関係を色濃く演じる中、菊之助自身も父子を改めて見つめ直す機会になっている。
菊之助は野村萬斎(43)演じる平家の武将・斎藤実盛の息子・五郎役。戦いの中で父を裏切ったが死後、亡霊となって父と寄り添うようにして心を通わせる。「構えている部分もあったけど、本音で語り合える親子に変化する。見ていただいた方も自分と父親の関係に思いを照らすのでは」と語る。
菊之助の父は人間国宝でもある7代目尾上菊五郎(65)。「親子というものは苦い関係でもある。身内だけど、張り合えるような役者に」という。現在、歌舞伎座に出演する父を見て「改めて歌舞伎の魅力にも気づいた」。直接口に出しての指導は受けないが「父のミニチュアになるな、という暗黙のメッセージがある。自分で考えろ」と受け取っている。
どんな仕事も「(代々の)先輩から常に見られている意識」があり、歌舞伎俳優として「伝統を継承しながらどれだけ革新できるか」を胸に秘める。役者として一回り大きく成長して歌舞伎の舞台に戻ろうとしている。
(2008年5月21日06時00分 スポーツ報知)
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