独開発相:ダライ・ラマと会談 中国の反発など押し切り

ベルリン・ブランデンブルグ門前で開かれた大集会で聴衆に語りかけるダライ・ラマ14世=2008年5月19日、小谷守彦撮影
ベルリン・ブランデンブルグ門前で開かれた大集会で聴衆に語りかけるダライ・ラマ14世=2008年5月19日、小谷守彦撮影

 【ベルリン小谷守彦】ドイツのウィチョレクツォイル経済協力開発相は19日、欧州歴訪中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世とベルリン市内のホテルで会談した。会談には在ベルリン中国大使館が先週、独外務省に遺憾の意を伝えていたが、反対をあえて押し切った。中国政府にチベット問題で軟化を求める狙いとみられる。

 ウィチョレクツォイル開発相は会談後、「私は政府の代表としてダライ・ラマと会談した。人権問題の当事者と対話することは、ドイツ開発政策の本来的な課題だ」と語った。中国政府に配慮する慎重派の批判には「策をろうすることは、チベットの人々やダライ・ラマに失礼だ」と反論した。

 会談実現は、昨年9月に首相府にダライ・ラマを迎え、中国の反発を買ったメルケル首相の意向とみられる。昨秋以降、中国政府は中独の閣僚級会談を繰り返し拒否する事実上の報復措置を取ったが、メルケル首相はダライ・ラマとの対話を将来も続けると明言していた。

 ダライ・ラマは19日夕には、ドイツのチベット支援団体がベルリンで開催した2万5000人(主催者発表)の大集会に参加。ブランデンブルク門前の大通りを埋め尽くした支援者に非暴力によるチベット平和の実現を訴えた。

毎日新聞 2008年5月20日 10時51分(最終更新 5月20日 11時47分)

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