ニュース: 生活 RSS feed
【教育】分かりやすい教科書 大学全入時代に対応 イラスト満載、平易な文章 (2/2ページ)
学び直したい社会人や短大生、推薦やAO入試で大学進学が決まった高校3年生の事前学習にも役立ちそうだ。
≪執筆者も募集中≫
渡辺学長は「偏差値40〜50前後の平均的な若者が学ぶテキストがなかった」とかねてから憂慮。10年ほど前からさまざまな出版社に発刊を働きかけてきた。ただ、「趣旨は共感できるがうちでは無理」といった声が多く、今回ようやく実現にこぎつけた。
渡辺学長は大学生の学力低下について「学生の知力が落ちた一面もあるが、2人に1人が大学生になり、誰でも入れる状態になった」として構造的な原因が大きいと指摘する。
さらに、「現在の学生は交流範囲や関心領域が狭く、難しい内容は敬遠しがちだ。だが、嘆いてばかりいるより、現状に立脚して大学改革のモデルをつくりたい。平均的学生が底上げされないと日本の大学教育は変わらない」と訴える。新テキストが普及すれば、学問研究が重視され教育がおろそかになりがちな「学問の府」に対する刺激剤ともなりそうだ。
弘文堂によると、今年度中に会計学、経営学、マーケティング論、金融学、来年度にも法学、ミクロ経済学などの分野で順次発刊していく予定だ。ただ、発行分野や執筆者が未定の部分もあり、渡辺氏は「学生の実情を熟知し、学力向上へ向けて現場で格闘している改革意欲のある教授に書いてもらいたい」と募集している。執筆に関する問い合わせは弘文堂編集部((電)03・3294・7003)。