東京都文京区が同区目白台に計画している運動公園について、田中真紀子衆院議員ら近隣住民が「貴重な自然が壊される」として、公園施設の建築確認差し止めなどを求める訴訟を東京地裁に起こした。20日に第1回口頭弁論があり、原告側は「自然はそのままにして、皆が憩える場所にしてほしい」と意見陳述した。
運動公園は、かつて田中角栄元首相が暮らし「目白御殿」と呼ばれた敷地とその隣接地の計3万平方メートル余に計画。田中家が相続税として敷地の約半分を国に物納し、区が公園建設のため隣接地とともに買い上げていた。
訴状で真紀子議員側は、公園建設に伴い、旧田中邸にあったものを含め多数の樹木が伐採されるのは問題と主張。「住まいに近接してできる駐車場からのぞき見され、一般人以上にプライバシーが侵害される可能性が高い」とも訴えている。
真紀子議員は「都会の貴重な緑を守ってほしいことがすべて。行政が自然破壊するのは信じられない」と話している。文京区は「訴訟案件なのでコメントは控えたい」としている。【銭場裕司】
毎日新聞 2008年5月21日 東京朝刊