イラン国営のパルス石油ガス会社(POGC)は11日、2年近く遅れていた同国南部の南パルス天然ガス田の大型鉱区でのガス生産が7月にも始まると発表した。ノルウェーの資源開発会社スタットオイルハイドロなどとの合弁で、総投資額は約27億ドルに達するイラン最大規模のガス開発事業だ。ガスはパキスタン、インド、近隣湾岸諸国などに供給する。
今回の開発対象は6―8鉱区。来年3月までに3鉱区で生産を開始する予定だ。すべてがフル稼働すれば日量で硫化水素を含んだ天然ガス1億400万立方メートル、コンデンセート(超軽質原油)15万8000バレル、4450トンの液化石油ガス(LPG)を生産する。
イランの資源開発を巡っては、同国と対立する米国が一定限度を超える投資を外国企業にも禁じる制裁を継続。10日には英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが南パルスガス田の13鉱区開発からの撤退を表明したばかり。(ドバイ=加賀谷和樹)
(18:20)