若い世代では、携帯電話は通話よりもメール機能を多用する傾向が強い。メールを受信すれば、その場で返事を送るのが基本マナーとされる。
一日の生活の中で、彼らが最も不安になるのは、すぐに返事が送れない入浴中らしい。最もくつろげる時間のはずなのに何とも皮肉な話だ。つながりを重視する若者にとって、携帯電話はコミュニケーションに欠かせないツールなのだろう。
日本PTA全国協議会が小学五年生と中学二年生を対象に行った調査によると、子どもたちの間にも「携帯依存」は広がっているようだ。携帯電話を持っていたのは、小五で19%、中二で43%。中二では深夜までメールをする子どもが半数を超えていた。
気になるのは、中二の12%が「会ったことのないメル友が五人以上いる」と回答したことだ。ネット上の掲示板などを通して知り合うケースが増えているのだろうか。
出会い系サイトなどで未成年が犯罪に巻き込まれる事件も増えている。政府の教育再生懇談会は子どもを有害情報から守るため、小中学生の携帯電話の使用制限を盛り込んだ提言を検討しているようだ。
携帯・ネット依存は、人間の心や人格形成にゆがみをもたらす恐れがあるとの指摘もある。子どもと携帯電話の付き合い方を大人社会も真剣に考え直したい。