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いじめ根絶へ、長男亡くした母親が写真公開して訴え

 いじめについてのシンポジウムで語る息子・啓祐君(右)を亡くした森美加さん(東京・港区で)

 いじめを苦に自殺した子供たちの遺族が集まり、いじめ根絶を訴えるシンポジウムが10日、東京都港区で開かれた。福岡県筑前町で昨年10月、中2の長男を失った森美加さん(36)も参加、長男啓祐(けいすけ)君の名前と写真を初めて公開した。

 森さんは、今春に啓祐君と同じ中学に進学する二男らのことを気づかい、名前などの公開を控えてきたが、二男から「お兄ちゃんは何も悪いことをしていない。僕は胸を張って学校に行く」と言われ、公開を決意したという。

 いじめ問題に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)などの主催で開かれたシンポで、森さんは、笑顔の啓祐君の写真を示しながら、「助けてあげられなくてごめんね」と涙ながらに呼びかけた。

 また啓祐君が「僕は優しくすることをいろんな人から教えてもらいました」とつづった小学校の卒業作文を紹介し、「いじめのない社会を願う息子の思いを伝えたい」と話した。

 一方、大分県で開かれている日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)の特別分科会でいじめ問題が集中的に話し合われた。パネリストの教育評論家・尾木直樹さんは、「いじめは今、第3のピーク。調査方法の変更で、いじめ件数は現在の2万件から100万件に増加するかもしれない。また高校生がメールを使っていじめを繰り返すなど、高学年化の傾向も見られる」と語った。

(2007年2月10日22時19分 読売新聞)

     

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