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<宇宙基本法案>なし崩しに解釈拡大…今後の火種に

5月20日21時20分配信 毎日新聞


 21日成立予定の宇宙基本法案は、宇宙利用を平和目的に限定した1969年の国会決議を変えないまま、より拘束力が強い法律で「上から塗り替える」(自民党中堅)ものだ。しかし、法案審議は衆参両院でわずか約4時間で、決議の解釈拡大が半ばなし崩しになった形。軍事利用の歯止めの議論も深まっておらず、今後の火種になりそうだ。

 防衛省は、内閣官房が災害対策などで運用している情報収集衛星から、北朝鮮の監視などのための情報提供を受けている。しかし、「非軍事」と解釈されてきた決議に基づき、画像解像度など衛星に用いられた技術は民間並みにとどまる。

 これに対し、法案は「我が国の安全保障に資する開発利用」と明記。共同提出した与党と民主党の衆院議員は20日の参院内閣委で「軍事利用を一切認めないのが決議の趣旨とは考えにくい」(民主党の野田佳彦氏)、「解釈は『非軍事』ではなく『非侵略』が一般的だ」(自民党の河村建夫氏)など、解釈拡大を当然の前提とする論法を繰り広げた。

 法案が成立すれば、政府は(1)より高い解像度の偵察衛星(2)ミサイル防衛(MD)で弾道ミサイル発射を瞬時に探知する早期警戒衛星−−などを保有できる。防衛省幹部は「厳しい財政事情の下で当面、保有は現実的でない」とみているが、法的枠組みが整う意味合いは大きい。

 民主党護憲派や公明党に配慮、法案は「憲法の平和主義にのっとる」として宇宙利用に理念上の歯止めはかけた。しかし、衛星からのプライバシー侵害などの議論も盛り上がっておらず、参院内閣委の一部からは「拙速ではないか」との声も出た。【松尾良、近藤大介】

最終更新:5月20日21時20分




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