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【法廷から】手鏡でのぞき 51歳被告の“家庭の事情” (2/2ページ)
このニュースのトピックス:法廷から
裁判官「母親に世話になっているのは分かるが、母親が金をくれないからやるという年齢ではないですよね」
被告「はい」
検察側の求刑は懲役10月だった。
最後に裁判官は被告を諭した。
裁判官「本当にやめてもらわないと。厳しい刑罰を課せばやめられるというものでもないと思うのでね。本当によく考えてくださいよ」
被告「はい」
「51歳にもなって」と被告を笑うのは簡単だ。だが、あきらめたような表情を浮かべ、傍聴席から好奇の視線を一身に浴びる被告を見ていて、別の思いがわいてきた。
人生に「もし」はないが、もし被告が交通事故にあわず、女性とそのまま交際していたら、どんな人生を歩んでいたのだろうか−。
明日のことは誰にも分からない。だからこそ、被告には今後、手鏡のぞきなどではなく女性と真摯(しんし)に交流する機会を見つけ、失った幸せを見つけてほしいと思う。
判決は4月10日に言い渡される。(末崎光喜)